2017.07.20
トピックス
皆さん、こんにちは。理学療法学科昼間部教員の高瀬です。6月11日に開催された日リハ同窓会主催の勉強会についてのお話です。
その勉強会でコミュニケーションについて3時間の講義をやらせていただきましたが、今回はその内容の一部についてご紹介させていただきます。
以前にもコミュニケーションの重要性について書かせていただきましたが、今回はそれを現場レベルの問題に落とし込んだものです。
理学療法士を含めセラピストは、リハビリのゴールを設定するうえで必ず『患者さんのHOPE』を聞きます。いわゆる『どうなりたいか、どうしたいかなどの患者さんの希望』と言うことになりますが、これが考慮されなければセラピスト側の一方的な自己満足のゴール設定になってしまいます。
『歩けるようになりたいです』
『トイレが一人でできるようになりたいです』
『できるだけ家族に迷惑をかけないようにしたいです』
など、様々なHOPEを患者さんから聴取することになるのです。
ここで気をつけなければならないのが・・
『患者さんの言葉』=『患者さんの本当の想い』???
と言うことです。
結論から言うと、私は必ずしもイコールにはならないと思っています。
例えば、重度の麻痺となった患者さんが本当は以前のように歩きたいと思っていたとする。でも、その状態で『歩けるようになりたい』なんて言ったら笑われちゃうかもな、と考えたため、とりあえず『トイレがなんとか一人でできるようになれば・・』と言っておく・・
こんなことがあり得ますよね?
皆さんは自分の本音を誰にでも話しますか?
信頼できる相手でなければ、そう簡単に自分の本当の想いは話さなかったりするはずです!
先ほどの例えで言えば、セラピストとの信頼関係が築けていれば、素直に自分の希望を話せるかもしれません。
私たちセラピストは、初めて患者さんと出会ってからできるだけ早く信頼関係を築き、できるだけ早く『本当の意味での患者さんのHOPE』を聞き出さねばなりません。
そして、その信頼関係は患者さんと接する中で、いわゆるコミュニケーションをとる中で築いていくしかないのです!
だからこそ、コミュニケーションスキルを習得する必要があるのです!
具体的なスキルをひとつあげるとすれば『共感』です。
共感には相手の気持ちを受け止める効果があり、気持ちを受け止めてあげる、気持ちをわかってあげることが、信頼関係構築に確実に役立つのです。
しかも、こちらが受け止めている、という感覚だけでは意味がありません。
あくまでも重要なのは、相手が「受け止めてもらっている」と実感できることです!
だからこそ、相手にしっかり伝わるような共感が力を発揮するのです!
このように、『患者さんの本当の想い』をしっかりと聞いたうえで、それを考慮したゴールに向けて、信頼関係が築けているセラピストと患者さんが一緒に進んでいけるようなリハビリの形って素晴らしいですよね?
今回勉強会に参加していただいた卒業生の皆さんが、このようなコミュニケーションスキルを現場で生かし、さらにご活躍なされることを願っています。
皆さんも興味があれば、一度是非コミュニケーションについて学んでみてくださいね。
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