2016.02.24
先生より
「他人の人生を背負う責任を忘れないこと」
これは私が臨床現場で実習生の指導をしている頃に、多くの実習生に伝えてきた言葉です。
私自身、療法士として働き始めても、ベテラン療法士と同じような訓練の効果を上げられず、日々悩みながら訓練に取り組んでいました。
そんな時、
自分はまだ新人だから・・・
仕事が多くて追いつかない・・・
プライベートが忙しい・・・
などと考えてしまったら、患者さんが幸せになるサポートをできるでしょうか?
療法士として目の前の患者さんに対し、今やるべきこと・できることを妥協せずに行うことが、患者さんの人生を預かる責任だと私は考えています。
ここで少し、患者さんの人生について考えてみましょう。
同じ病名でリハビリを受ける人は、誰もが皆同じ目標に向かって訓練を行うのでしょうか?
当然違いますよね。
一人ひとり違う環境で違う人生を送ってきたのに、病気やけがを患ったとたん、その後の人生の目標が皆一緒になってしまうなんてことはないはずです。
病気やけがを患ったその日も次の日も、患者さんだけのその人らしい人生が続いているんです。
私は、患者さんの社会的な役割、家庭での役割、自身の人生設計、楽しみや生きがい、ご家族の状況などを熟慮し、患者さんやご家族とともにリハビリの目標を考え、その目標に向かって訓練を進めていくことがとても大切なことだと思います。
今すぐに完璧な療法士にならなくても、いつまでたっても立派な療法士になれなくても、“患者さんの人生を少しでも豊かにしたい”と思って、やるべきこと・できることを妥協せずに行っていれば、きっと少しは患者さんの支えになれると信じています。
“人間性豊かな即戦力教育”という当校の教育理念に基づき、患者さんの人生を背負い、患者さんやご家族に寄り添いながら、ともに歩んでいける療法士を一人でも多く育てたいと思いながら、日々教壇に立っています。
作業療法学科 福澤阿弾
グループ校