2020.09.28
先生より
今回は、とある一冊の本を紹介します。タイトルは「空の匂い、海の息吹」。
著者はレベッカ・レイノルズさんという方で、この本が出版された1997年当時、アメリカのマサチューセッツ州にあるトゥフツ大学(タフツ大学)作業療法修士課程に在籍しておられました。
内容は、障がいのある方や様々な理由により心を閉ざしている人々が、遠い日の記憶や人間本来の自然の感覚を取り戻してゆきながら、自身の持つ無限の可能性について気が付いていく、そういう活動を紹介した本です。
日本でも「作業療法士」として働いていくと、様々な障がいをお持ちの方々と出会います。
資格を取って間もないころの仕事は、対象者の方が日々の生活で困っていることがあれば、その生活がよりスムーズにいくように援助させていただいたり、また具体的な身体能力の回復や精神機能の回復などのリハビリをさせていただいたりします。
でも、本来の作業療法は、
“ OCCUPATIONAL THERAPY ”
と言われ、様々なことを治療に用いることができますので、この本に出てくる内容も立派な作業療法です。
実際に、アメリカの教科書の表紙には、「自然の生命力」を感じさせるようなイラストが描かれています。
Occupational Therapy in the Promotion of Health and Wellness(F.A. Davis Company)
作業療法の世界では、こういう「自然と人間の関係」また、そういう関係を通して人間が癒されること、治療となることを、まじめに語っていい場所がありますので、興味のある人はぜひ門戸をたたいてみてください。
作業療法学科昼間部学科長 手塚雅之
【関連リンク】
Occupational Therapy in the Promotion of Health and Wellness(F.A. Davis Company)
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