2021.09.02
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こんにちは。作業療法学科、夜間部教員の小笹です。
皆さんは、トミー・ジョン手術という言葉をご存じでしょうか。最近では今メジャーリーグベースボール(以下MLB)で活躍中の大谷翔平選手が受けた手術法で、耳にする方も多いのではないでしょうか。
過去にはダルビッシュ有選手や松坂大輔選手なども、同じ手術を受けています。トミージョン手術の正式名称は、『内側側副靭帯再建術』と呼ばれています。トミー・ジョンは人物名で、初めてこの手術を受けた元MLB投手です。
引用元:https://supragogo.hatenablog.com/entry/2018/10/04/122744
トミー・ジョンは1974年にフランク・ジョーブ医師の執刀にて手術を受けました。1974年当時は内側側副靭帯再建術の前例がなく、成功率は0~1%とされていました。
ここでいう成功率とは、手術そのものの成功率ではなく、MLB投手として成績が残せるほどの実践復帰の確率と考えて下さい。ですので1974年当時では、トミー・ジョン手術を受けるということは、限りなく選手復帰する可能性が低いものだったわけです。
近年、大谷選手らのように手術を受けても実践復帰できる選手が増えたのには、次の理由が挙げられます。アメリカのあるスポーツ医学専門誌が、1986年~2012年までのトミー・ジョン手術を受けたMLB投手を調査して、83%が実践復帰できたと報告しました。
ここで実践復帰の確率が大幅に向上した要因としては、内側側副靭帯再建術の技術的な進歩よりも、リハビリテーション医学の知識や技術の進歩と、リハビリテーション職の経験の積み重ねが寄与しているとされています。
つまり1974年当時から手術そのものは成功していても、リハビリテーションが実践復帰には重要だということがお分かり頂けたでしょうか。
リハビリテーション(以下RH)の分野でも、言葉が細分化されてきています。
術後の回復のためのメディカルRH、実践復帰のためのアスレチックRH、怪我を防止するための予防RHなどがあります。以前、私が勤務していた病院では、スポーツ整形分野のリハビリテーションを担当していたことがあります。
作業療法士も勤務先や臨床分野においては、スポーツ整形分野を担当する作業療法士が増えてきています。
スポーツ選手に怪我は付き物ですが、身体の怪我だけでなく心も落ち込んでいる選手の心のケアをすることも、作業療法士の強みと言えます。
リハビリテーションはスポーツ選手にとって、なくてはならないパートナーと言えるのではないでしょうか。作業療法士は、皆さんの心と身体を支えています。
引用元:https://www.mcdavid.co.jp/sportmed_case/ulnar-collateral-ligament-sprain/
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