理学療法学科1年生を対象に、現役理学療法士の卒業生や介護福祉士の方をお呼びして、セミナーを開催しました。
みなさんは理学療法士はどんな現場で活躍しているかご存じでしょうか?
病院や診療所・リハビリテーションセンター・整形外科・クリニックといった医療分野や、介護老人保健施設・訪問介護ステーション・特別養護老人ホームなどの介護分野、アスリート・スポーツの支援の分野など、いろんな分野で活躍しています。
そして、身体機能回復のリハビリ以外にも、介護予防・フレイル予防※といったかたちで活躍したりしています。
※人は年を取ると段々と体の力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってきます。このように心と体の働きが弱くなってきた状態をフレイル(虚弱)と呼びます。東京都医師会HPより
また、理学療法士は患者様や利用者様の病気・けがの時期や状態によってかかわり方は異なってきます。
特に、医療機関では患者様の状態によりいくつかの期に分かれており、大きく分けると①急性期・②回復期・③生活期・④終末期と分けられます。
①急性期:手術前後や発症早期に病状の安定や疾病の治療を目的に理学療法の治療を行います。
②回復期:病気やけがの状態が安定した患者様を対象に、生活復帰や社会復帰を目的として可能な限りの機能回復や能力改善を目標に理学療法を提供する時期です。
③生活期:ご自宅や施設などで、自己の能力を活用し、その人らしい生活と社会参加を実現する時期です。理学療法士は、運動方法の指導や住宅改修、福祉機器などの利用の提案などを通じてサポートを行います。
④終末期:心身や生活全体の生活の質を高めるための「ケア」を重視した時期です。理学療法士は、医療・介護・福祉従事者などの関係者と連携しながら、疼痛や倦怠感、呼吸困難感の軽減、動作方法の提案、環境設定など本人の希望に沿って支援を行います。
このように、理学療法士は様々な場所・場面で活躍しているのですが、なかなか見る機会も少ないのでイメージが付きにくいと思います。
今回のセミナーでは急性期・回復期・訪問・介護士とそれぞれの理学療法士の役割などを学んでいき、理学療法士や医療の現場について理解を深めました。
講師のみなさまの話に、学生たちは真剣な表情を浮かべ、メモを取りながら熱心に耳を傾けていました。
学生にとっても、現場で活躍する卒業生から直接学ぶことで、座学だけでは得られない貴重な経験となったのではないでしょうか?
将来のキャリアに向けて具体的なイメージを持つことができたと思います。