より良い後輩育成の為に

第12回同窓会セミナーを開催しました。

 

 

今回は、〝後輩との関わり方〟や〝学生に対しての指導方法〟などをテーマに、参加者の皆様と色々な意見を出し合いながら、ワークショップを行いました。

 

 

 

 

ファシリテーターはこのお二人。

 

 

名取綜一郎(成田赤十字病院作業療法士・日リハ同窓会会長)

 

 

齋藤久恵 先生(日本リハビリテーション専門学校 作業療法学科 教員)

 

 

 

議論の中では、現場で働く卒業生の皆様のリアルな声、働く中で後輩や学生の指導で困っていることや考えていることなどについて皆で意見を出し合いました。

 

 

 

 

 

 

ケーススタディなどを行いながら、皆で意見を出し合い、その意見を共有することで、〝後輩との関わり方〟や〝学生に対しての指導方法〟についての新たな考え方や解決策も見つかったことではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

ご参加いただきました卒業生のみなさん、ありがとうございました!

 

 

 

国内トップレベルのモデル的リハビリテーション病院

日リハの特徴の一つに、1年次の早期から病院を見学する「Early Exposure Program」があります。まずは実際に理学療法士・作業療法士が働いている現場を見て、将来の自分をイメージし、これから4年間の学習へのモチベーションを高めてもらうための取り組みの一つです。

 

 

先日、新入生が船橋市立リハビリテーション病院の見学に行ってきました。

 

 

毎年、本校の恒例行事として、新入生の病院見学でお世話になっている「船橋市立リハビリテーション病院」は、新しい手法の医学的リハビリテーションを提供する回復期リハビリテーション病棟を6病棟を有する200床の公立民営の病院です。船橋市からの委託を受けて運営しているのが「医療法人社団輝生会」です。同輝生会が経営する初台リハビリテーション病院とともに、その名声は日本全国に知れわたっています。

 

 

平成12年4月に誕生した回復期リハビリテーション病棟は、世界に類のない日本独自に開発された新しい手法の医学的リハビリテーションであることが大きな特徴です。

 

 

その産みの親は、医療法人社団輝生会初代理事長石川誠先生(現在は会長)です。

 

 

回復期リハビリテーション病棟には、石川先生の医学的リハビリテーションの発展を願う艱難辛苦の歴史と日夜奮闘の熱い思いがこめられています。

 

 

我が国のリハビリテーション病院の圧倒的な主流は、脳血管障害・運動器・呼吸器・心大血管等疾患の医学的リハビリテーションを必要としている多くの患者様に多大な恩恵を与えている「回復期リハビリテーション病棟」の病院です。

 


 

 

!POINT!

 

回復期リハビリテーション病棟の特徴は、看護師、介護福祉士は勿論、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・ソーシャルワーカー・管理栄養士・薬剤師等の様々な専門職が病棟専従(医師は専任)で働き、急性期病院から患者様を迅速に受け入れ、強力なチームアプローチにより、家庭や職場復帰等をした場合の生活をイメージして、日常生活動作(食事・更衣・整容・入浴等)の向上を図るための医学的リハビリテーションを実施することである。

 

回復期リハビリテーション病棟の使命は、365日間休みなくリハビリテーション提供することである。このことは、患者様に取っては、入院中土曜日・日曜日・祝日でもリハビリテーションを受けられることを意味する。

 

 


 

 

 

例年、院内見学の前に学生は医療法人社団輝生会会長である石川誠先生の特別講話「温故知新(医療の歴史から学ぶ)を拝聴します。

 

 

世界の医療史や日本の医療史及び欧米と日本の医療の発展の相違(欧米の医療は看護 を中心に発展、日本は医師を中心に発展)を中心としたご講話です。

 

 

世界の医療史では、中世ヨーロッパの修道院に併設されていた施設で、旅人・巡礼者・ 孤児・病人・障害者等の宿が提供されていたとか、フローレンス・ナイチンゲール(イギリス)がクリミヤ戦争(1854年3月~1856年3月)で英国軍の死亡率を劇的 に下げた功績や病院入院中の傷病兵に対する献身的看護、例えば夜にはランプを手に持 ち多くの患者を見回るなど自己犠牲を厭わない働き振り及び軍病院改革等で大活躍した ことなどにより、広く国民に愛され、クリミアの天使と呼ばれることとなった等々。

 

 

日本の医療史では、飛鳥時代、聖徳太子が四天王寺(現在の大阪四天王寺)に悲田院 「孤児や貧困者等の救済施設」、敬田院「仏教を中心とした教育施設」、施病院及び施薬院を建立、老若男女の区別なく身寄りのない貧困者を収容するなど救済したこと及び奈良時代には、僧行基が諸国行脚をしながら伝道と民衆救済活動を行ったことや平城京興 福寺(現在の奈良市興福寺に施薬院、悲田院を建立)を中心に聖武天皇の皇后である光 明皇后が病人や貧しい人々の救済を行ったこと等です。

 

 

また、平安時代には宮中医が病人・貧者の救済、鎌倉時代は僧侶が病人・窮民の救済・室町時代から江戸時代は医師が病人の治療に奔走したことや江戸時代の貝原益軒「養生訓」、杉田玄白「解体新書」、華岡清州「全身麻酔」及び緒方洪庵「蘭学」等について、 軽妙な説得力ある語り口で、含蓄と示唆に富んだ様々な感銘深いご講話を頂きました。

 

 

 

 

 

新入生のみなさんは石川先生の熱のこもった講義に、熱心に耳を傾けていました。

 

 


 

 

!POINT!

 

現在は、回復期リハビリテーション病院の多くは「365日リハ」を行っていますが、その礎を築いたのが石川誠先生です。

 

 


 

 

続いては、病院スタッフの方の案内による病棟見学です。

 

 

 

 

この病院では、理学療法士・作業療法士合わせて約200名ものセラピストが働いています!これほど多くの理学療法士・作業療法士が活躍している病院は、日本ではほとんど存在しません。

 

 

 

 

リハビリテーション室では、施設や設備を見学させていただくだけではなく、実際に理学療法士・作業療法士が患者さんにリハビリテーションを行っているところを見学することができる、貴重な体験です。

 

 

この病院では白衣ではなく、シャツとパンツスタイルだという事も特徴の1つです。患者様がリラックスしてリハビリテーションができるうような計らいだそうです。

 

 

そして、見学と合わせて、船橋リハビリテーション病院の先生から、「船橋市立リハビリテーション病院の沿革や地域での役割」、「病院が目指している【チームアプローチ】でのリハビリテーションについて」をそれぞれご説明いただきました。

 

 

 

 

この船橋市立リハビリテーション病院だけでなく、医療に携わる全ての人にとって【チームアプローチ】は、とても大切です。

 

 

 

 

日本でも最高のリハビリテーションサービスを提供している船橋市立リハビリテーション病院。高齢化がどんどん進む日本において、このようなリハビリテーション病院はなくてはならない存在となっています。そんな最先端のリハビリテーション病院を見学できた事は、1年生にとってとても良い経験になったことでしょう!

 

 

皆様、ご協力いただきありがとうございました!