届けたい想い

作業療法学科夜間部教員の田中克一です。先日、はじめての長期実習(評価実習)を翌週に控えている3年生の壮行会がありました。

 

 

 

実習は臨床現場で実践的に学ぶことができるとても貴重な場です。

 

 

 

しかし慣れない環境で実力を出せず自分の不甲斐なさを感じたり、戸惑うこともあるかもしれません。また心の余裕のない時には周りの人の優しさに気づけなかったり、感謝の念を持てないこともあるかもしれません。

 

 

 

壮行会での各教員の言葉が届いていたら嬉しいです。皆さんにはクラスの仲間や日リハの教職員がいることを思い出しましょう。

 

 

 

このブログ記事をどなたが読んでいただいているのかわかりませんが、甲本ヒロト作詞・作曲の私が好きな曲(CMでも流れていたらしいのでご存知の方も多いかもしれません)の一節を3年生、そして国家試験を控えている4年生、解剖学や運動学といった学内授業に苦労している1・2年生、進路・進学に悩んでいる高校生に届けたいと思います。

 

 

 

「人にやさしく」

作詞・作曲:甲本ヒロト

 

(中略)

人は誰でもくじけそうになるもの

ああ僕だって今だって

叫ばなければやり切れない思いを

ああ大切に捨てないで

人にやさしくしてもらえないんだね

僕が言ってやる

でっかい声で言ってやる

ガンバレって言ってやる

聞こえるかい ガンバレ!

 

 

CMバージョン

変わる気持ちと変わらない想い

作業療法学科昼間部教員の大倉です。

 

 

今年も残すところ約1か月。

 

 

今年は春の訪れとともにコロナ騒ぎとなり、思い描いた新年度のスタートが切れなかった方がほとんどだと思います。

 

 

私も、この4月に教員として当校に着任しましたが、すぐに自宅勤務となり右も左も分らぬまま数か月が過ぎました。

 

 

自粛生活が明けた後は、遅れを取り戻そうと少しずつ日々の業務を勉強中です。

 

 

私が副担任をしている1年生も、やはり同じような状況ではないかと感じます。

 

 

全員で肩を並べて授業を受ける機会が極端に少なくなってしまった今年度は、学校やクラスメイトに馴染むのに時間がかかったり、慣れない専門用語が並ぶ勉強になかなか気持ちが向かなかったり・・・

 

 

作業療法士って一体何をするんだろう・・・

 

 

基礎科目が続くと、当初抱いていたイメージすら靄がかかってくるかもしれません。

 

 

逆も然り、学ぶうちに興味が広がり、当初の思いと変わることもあると思います。

 

 

私自身、学校に入る前は小児のリハビリに携わりたいと考えていましたが、結局卒業後に就職をしたのは身体障害分野の急性期の病院でした。

 

 

「小児科に」という思いは4年間かけて少しずつ変化し、授業では精神科にも興味を持ち、長期実習でどちらの分野も経験させて頂きましたが、自分自身の向き不向きや興味をそこでやっと理解した結果です。

 

 

就職した病院でも出会う患者さんからたくさん影響を受け、「医療リンパドレナージセラピスト」という認定を取り、がんのリハビリテーションに携わりました。

 

 

そこからはがんサバイバーの方が自宅で暮らすことを支援したいと考えるようになり、病院から訪問リハビリへ進み、現在に至ります。

 

 

私たちは様々な経験を積み、自分の進む道を模索しながら、新たなチャレンジをして・・・

 

 

時にはサボりもしますが(ここだけの話)、また再び力を注げるように充電したら、目の前の患者さんに誠心誠意向き合う力が必要です。

 

 

私の見ている学生さんたちにも、この困難な世の中の状況を一歩ずつ乗り越えながら、その力を身に着けていってほしいと思います。

 

 

未熟ながら、そんなことを考えたこの半年です。

 

 

 

 

写真は、新年度のスタートに思いを馳せて。

 

 

今年ではありませんが、訪問リハビリで伺っていた患者さんと車椅子でお花見をした時のものです。

 

 

いつもは眠ってしまうことの多い方ですが、桜の木の下でパチッと目を開けて笑ってくださいました。

 

 

桜には興奮作用があるとかないとか…

忘れられない2つのエピソード

理学療法学科教員の佐藤です。私は今年の3月まで、病院に勤務し臨床業務に就いていました。新人の頃、というとかなり遠い記憶にはなりますが、それでも忘れられないエピソードについて2つ、今回はお話させていただきたいと思います。

 

 

 

1人目の患者様とのエピソードは、骨折し入院した方で、受傷前は運動経験がほぼ無く恐る恐るながらもひたむきにリハビリに取り組まれていました。

 

 

私自身経験が乏しかったため、当時の先輩方に色々とアドバイスをいただきながら必死に担当させていただきました。

 

 

退院の際、思いがけずその方からお手紙をいただきました。

 

 

両足で大地を踏みしめて歩けることの喜びを感じています、という内容の事柄が書かれていました。

 

 

この時に私は、患者様がご自身の目標を達成できることは、私自分が考えていたよりもずっと重みのあることなのだと気づきました

 

 

そして、もっと知識や技術を高め、患者様へ還元していかなければならないとより一層意識を高めるきっかけとなりました。

 

 

 

 

2人目の患者様とのエピソードは、進行性の疾患の方で、自分の無力さを日々感じながらも患者様に対し何かできることはないかと模索しながら担当させていただきました。

 

 

最終的には入院中にお亡くなりになり、その後ご家族がリハビリ室へご挨拶に来てくださりました。

 

 

感謝の意を伝えてくださるご家族に対し、何と答えたら良いのかわからず、ただひたすら頭を下げたような記憶があります。

 

 

その後上司に、「こんな時はどう答えたら良かったのでしょうか?」と聞きましたが、正解はないのかもしれませんが、どんな答えも適切ではないような気がしてしまい、複雑な心境でした。

 

 

ただ、限りある時間の中で患者様の思いを汲み取って寄り添う、という点において、もしかするともっとやれることがあったのではないか、違う関わり方があったのではないか、と、自身の未熟さや視野の狭さを見つめなおすきっかけとなりました。

 

 

 

 

 

 

この理学療法士、という仕事には、それぞれに異なる対象者の生活・人生に対して、無数のアプローチの仕方や関わりがあります。

 

 

それゆえに何年経験しても学ぶことがたくさんありますし、昨日は知らなかった事を今日は知っている、ということの積み重ねは楽しいと思いませんか??

 

 

喜びや苦労も様々経験していける、とても魅力のあるやりがいのある仕事だということをお伝えできたら良いなと思い、書かせていただきました。