恩師の言葉

あけましておめでとうございます。理学療法学科昼間部の五嶋です。新年を迎えて既に2週間過ぎましたが、今年最初のブログという事ですので、本年もよろしくお願い致します。

 

 

新年を迎え、気持ちを新たに頑張っていらっしゃるかと思います。皆さんは今年の目標は何にしましたか?

 

 

私は、「“たられば”は言わない」です。1月からのドラマでもありますが、「あのときこうすれば…」や「もしこれをやっていたら…」というのは、問題であることはわかるけど、結果には繋がりません。先に後悔しないためにも、問題を先送りせず、行動に移したいと思っています。

 

 

話は変わりますが、年も越して後期授業も終了したため、現在当校では後期の定期試験を行なっているところです。

 

 

試験が合格できないと進級はできません。理学療法士・作業療法士の国家試験の受験資格は理学療法・作業療法学科の専門学校や大学を卒業することが必須なので、臨床実習もそうですが、定期試験を全て合格することが必須になります。

 

 

勉強はもちろん易しいものではありませんが、試験の内容は理学療法士・作業療法士になるためには必要な知識であり、ここで何とか暗記で乗り越えたとしても、理解が定着しなければ、その先の段階でつまずく可能性がありますので、しっかり理解してもらいたいと思っています。

 

 

私の恩師の言葉ですが、

 

「できる人と比べてできないと感じている人は、できる人よりも勉強量が少ない可能性もある。まずは同じだけ勉強してみることで初めて比較ができるはずだ。」

 

とおっしゃっていました。

 

 

自分より優れている人に対して卑屈にならずに、まずはその人のレベルに近づけるよう努力することが大事だと思います。実際、私の周りにもはじめは他の人よりできなくても努力して周囲より結果を出せた人も見てきました。

 

 

勉強は興味がないとなかなか理解ができないこともありますが、医学の勉強は日々の積み重ねが結果に繋がりますので、「あの時もっと勉強していたら…」と後悔しないよう頑張って、患者様に心身ともに元気になってもらえることができるセラピストになってもらいたいと思います。

 

 

これから試験を控えている方もたくさんいらっしゃると思います。最近はインフルエンザも流行っているので、手洗いやうがいをしっかりして、本番で力が発揮できるよう、体調管理をしてくださいね。

1+1=…チームアプローチの大切さ

皆さん、こんにちは。今回は理学療法学科夜間部の阿部 靖がお届けいたします。 テーマは『チームアプローチ』です。

 

 

去る12月4日、

 

日本リハビリテーションネットワーク研究会第16回学術集会

 

 

に参加させていただきました。

 

 

この学会は日リハ校長 陶山哲夫先生が理事長を務められている学会で、先生は設立メンバーの一人でもあります。

 

 

研究会の理念は、

 

 

21世紀を生きる障害者・高齢者に明るい展望をもたらし、より自立した状態で社会復帰・社会参加を可能にするためには、リハビリテーションに携わる多くの人々の叡智が結集されなければならない

(設立趣意書より引用)

 

 

 

とあります。

 

 

多様性のこの時代、画一的なリハビリではなく、個性を尊重し、社会状況にあったリハビリを提供するにはどのような活動が必要なのか、また、今後どのような知識や技術が必要になるのか、そのことを学べる貴重な学会でした。

 

 

私は救急病院、緩和ケア、回復期、老健、訪問リハビリやクリニックなどに勤めてきましたので、その都度、求められるチームアプローチが違っていました。

 

 

しかし、その中で一貫していたのは、多職種同士がお互いを尊重し、協調しながら自分の職種の強みを最大限活かしていくことでした。

 

 

1+1が3にも4にも5にもなるように何度も何度もディスカッションをしてきました。

 

 

さらに、その根底には、

 

 

どのような形でリハビリを提供したら患者さんや利用者さん・そのご家族の方々が喜んでくれるのか、楽になってくれるのか、家に引きこもらず社会と関わっていってくれるのか、

 

 

という視点と気持ちがあったと思います。

 

 

しかし、時には想いが強くなりすぎてしまい、専門家同士が意見を重ねるはずが、いつの間にか折衷案になってしまうことがあります。

 

 

1+1=0.5

 

 

これはお互いを尊重できていなかったために生じた出来事で、非常に残念な結果です。

 

 

チームアプローチは

 

 

1+1=3,4,5...

 

 

となることが理想になります。

 

 

つまり、

 

 

 1人+1人=3馬力,4馬力,5馬力...

 

 

になるように努力する必要があります。

 

 

そのためにはお互いを尊重し、相乗効果を生むべく協調してリハビリテーションに臨むことが大切だと考えます。

 

 

また、個々が常に切磋琢磨して自身の能力を高めるべく最大限の努力を怠らないことが大切になります。

 

 

 

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。年内は今回が最終回です。次回は年明けより再開いたします。それでは、良いお年をお迎えください。

かつての同僚からの電話

作業療法学科教員の阿部です。数日前、かつての同僚から電話がかかってきました。作業療法士の求人のことでした。「今度、回復期リハビリテーション病棟を建てることになったので、作業療法士を採用したい。来春卒業する学生で誰かいないでしょうか」ということでした。

 

 

実はこのような求人は相当な数あります。8月に本学で行われた就職説明会(4年生が対象)にも2日間で130の病院、施設の方が来ました。1か所の病院施設が求人をするのは、複数名のこともありますので、この2日間に来られた病院施設の求人だけでも200名以上になるわけです。

 

 

ちなみに、年間では2000名分以上の求人が本学にありますが、これは作業療法士だけの求人の数です。理学療法士の求人はまた、別にかなり多くあります。

 

 

実は、作業療法士の求人は増えているのです。

 

 

今年の春の国家試験に合格した作業療法士は全国で約4000名でした。5000名ほどが養成校を卒業をしました。

 

 

本学への求人は、本学だけでなく他校にも重複して行われていることも多いので「2000名×全国の学校数=全国の求人数」ということにはなりませんが、今春卒業の約5000名に対しての求人は、5倍以上あるのではないでしょうか。

 

 

さて、なぜこのように求人が多いのでしょうか?

 

 

最初に紹介した私の元同僚が勤めている病院は、一般の病院です。内科や外科、整形外科などがあります。近年はこのような一般の病院でもリハビリテーションが行われるようになってきました。

 

 

かつて、リハビリテーション(今はリハビリという言い方が普通にはされますね)は特別なもので、特別な病院や限られた病院だけで行われていました。

 

 

しかし、そうしたリハビリテーションも今では割と当たり前になってきました。そして、リハビリテーションには、理学療法士や作業療法士が必要になってくるので、作業療法士の求人が多くなってくるのです。

 

もうひとつは、高齢化社会のことです。高齢化はまだまだ進んでいき、いわゆる「団塊の世代」が65歳以上になるのはまだ少し先のことです。この団塊の世代の人たちが65歳以上になるときが、高齢者人口のピークと言われていますね。

 

 

ということで、高齢者のためのリハビリテーションや介護はさらに必要とされていくわけです。こうしたところにも作業療法士の求人は増えています。

 

 

では団塊の世代が高齢者となったあとは、必要が少なくなって求人が減るのかというと、そうともいえないでしょう。というのは、他の病気や障害、あるいは必要が増えてきているからです。

 

 

たとえば、認知症という病気があります。65歳以上の人で400万人ほどが認知症になっているのではという推定があります。もちろん、すべての認知症の人にリハビリテーションや介護が必要であるということはないのですが、多くの人に必要になります。

 

 

「地域介護の拠点である地域包括支援センター約4200カ所などに設置する『認知症初期集中支援チーム』。看護師や保健師、作業療法士らが本人や家族から生活状況を聞き取り、症状進行の見通しを説明するほか、生活全般についても助言する。」というのが2012年に国が出した方針です。

 

 

他にも

 

〇増加するうつ病のこと

 

〇復職を必要とする人たちへの支援

 

〇障害を持ちながらも就職をしたいという人への支援や手助け

 

〇発達障害の人達の社会参加の支援

 

 

など、作業療法士の必要性がどんどん増えてきています。このようなことが、作業療法士の求人を増加させているのでしょう。