評価実習のお話し~作業療法学科編

作業療法士を目指す学生はどの養成校に入っても、必ず臨床実習という病院や施設で勉強をする機会があります。当校では3週間を2回の期間に分けて行う「評価実習」と8週間を2回の期間に分けて行う「総合実習」というものがあります。

 

今回、その中で評価実習についてお話します。

 

 

評価実習というのは、3年生で行われるもので、昼間部では10月から11月にかけて、夜間部では1月から2月にかけて行われます。

 

 

 

 

評価実習では、病院や施設にご協力いただき、その病院等におられる患者様、利用者の心身の状態や動作能力などを評価し、適切な目標や治療プログラムの立案ができるよう臨床実習指導者のもと、学ばせていただきます。

 

 

課題として、

 

1.日々の記録

 

2.担当患者様の記録

 

3.担当患者様を評価した内容のレポート

 

 

などがあります。

 

特には評価した内容の結果を形に残す、という意味合いになりますが、評価の手段として次のようなものがあります。

 

 

 

1.面接:患者様やご家族様と直接対面し、困っていることや希望などを聴取していきます。この面接を通して、今後の作業療法(評価)の説明やそれに対する同意を得たり、同時に信頼関係を築く機会にもなります。

 

 

2.検査・測定:学内で学んだ検査・測定の手法を用い身体や精神の状態を調べていきます。患者様の疾患や置かれている状況に応じて検査・測定の項目を適切に選択し、計画的に実施していきます。

 

 

3.観察:日常の動作がどのように行われているのか、どこに問題があるのか、何に援助が必要か、どうしたら可能になるか、などを観察からみていきます。

 

 

4.情報収集:カルテを始め、他の職種(医師、看護師、理学療法士、社会福祉士、介護福祉士など)から患者様に関する情報を得ていきます。

 

 

以上の事柄を実施していくわけですが、評価はこれで終わりではありません。

 

 

 

上述で得た結果をまとめ、どこに問題や利点があり、いま何を必要として、今後はどうなっていくのか、などを論理的に思考していき、目標設定や作業療法プログラムを立案していきます。

 

 

この部分が、いわゆる“考察”といわれ、学生(実習生)にとっては特に苦労するところです。

 

 

患者様一人ひとりに見合った目標設定や作業療法プログラムを考えていく必要があり、専門職として客観的な根拠や柔軟な思考が問われる部分でもあり、それが故に苦労することが多いです。

 

 

そして、この過程で得た内容をまとめ、文書化したものがレポートとなります。

 

 

 

 

現在ご協力をしてくださっている患者様、そして将来作業療法士になってからの患者様のためにも、ぜひこの貴重な機会を生かし学び多き時間にしてもらいたいと思います。

 

 

作業療法学科昼間部 菅原

動作を観察する練習中!~理学療法学科の授業紹介

皆さまこんにちは!今回は理学療法学科教員の重國が担当します。よろしくお願いします。

 

 

三年生はこれから評価実習に向かいます。

 

 

評価実習とは対象者の「できること」「できないこと」を明確にして、なぜできないのかを分析します。それを踏まえて理学療法プログラムを立案して、目標を設定することが求められます。

 

 

分析を進めていくにあたり、理学療法士に必要な能力の一つとして「動作観察」があります。スポーツと同じように能力を向上させる為には反復練習が欠かせません。

 

 

私が担当している三年生の授業では、この「動作観察」を反復して行っています。本日も皆、一生懸命取り組んでいました!

 

 

 

 

これは、立ち上がりを観察しています。

 

 

 

 

これは、少し応用編ですが車いすからベッドへの移乗動作を観察しています。写真では分かりませんが、観察する時は会話せずに集中して行っています。

 

 

 

 

そして、なるべく短時間でこのような図と動作の特徴を記録する練習を繰り返し、毎回授業後に提出してもらっています。観察のポイントなどを添削していると、徐々に正確さが増していくのがわかります。

 

 

初の長期実習、頑張りましょう!!

もっともっと元気に~今ある機能を維持するためのリハビリ

こんにちは。作業療法学科夜間部教員の井口です。

 

最近、テレビで「 女性だけの30分 健康体操教室 ○○○○ 」のCMをよく見かけます。

 

 

CMに映し出されているのは、いずれも少し年配の女性が元気に体を動かしている様子です。

 

 

リハビリ業界でも、ご高齢な方に対して、スポーツジムにあるような本格的なマシンを使って、筋力トレーニングを行うことがあります。

 

 

ご高齢な方の筋力トレは、筋肉ムキムキな体を作るためではなく、いつまでも健康的で、誰のお世話にもならないような体作りが目的になります。

 

 

実際に、筋トレを体験した方に話を聴くと

 

「今まで、杖をついて歩いていたけど、もう必要なくなったよ」

 

「ここ最近は,立ったまま靴下を履けるようになった」

 

「肩こりがほとんどなくなった」等々、

 

ほんの数ヶ月でも効果があるようです。

 

 

 

 

生活場面でたくさんの効果をもたらす筋トレですが、気持ちの面においても効果があります。

 

「 ( マシンの ) おもりをもっと重たくして欲しい」

 

「力をつけたい」

 

「 ( 筋トレを ) ずーっとやり続けたい」

 

など意欲的になっていきます。

 

リハビリと言うと、「ケガや病気によって、出来なくなってしまったことが出来るように訓練をする」印象が強いですが、健康な高齢者をもっともっと元気にするリハビリもあります。