作業療法学科教員の栗原と申します。今回は「自動ブレーキ付き」の車椅子についてお話ししたいと思います。
車椅子は対象者の身体能力や用途に合わせた様々な形があります。どの車椅子もブレーキをかけないままで立ったり座ったりすると、はずみで車椅子が勝手に動いてしまい、転倒につながる恐れがあり大変危険です。
特に認知症や高齢の方の転倒の要因に、車椅子のブレーキのかけ忘れがあることも少なくありません。
自動ブレーキ付きの車椅子は、対象者がブレーキをかけることを忘れても、車椅子から立ち上がると(座面に体重がかからなくなる)自動でブレーキがかかる仕組みがあり、ブレーキのかけ忘れに関連した転倒事故を予防することが出来るものです。
私は現在も訪問リハビリテーションに携わっており、この「自動ブレーキ付き」の車椅子をお使い頂くことで、月に1回位の頻度で転倒していた方が、全く転倒なく過ごせるようになったという事例も経験しました。
私たちセラピストが、対象者の身体・精神機能、転倒原因などを、医学的知識等を使ってしっかり分析・対応することで、対象者の安全な生活をサポートすることができます。
適切な福祉用具の提案や生活環境を調整することもサポートの1つで、直接的な機能訓練だけがリハビリのお仕事ではありません。
また作業療法士の仕事は、ただ安全な生活を送れるようにというだけではなく、「生き生き」とした生活をサポートするのが仕事であると思います。
またの機会に、どのように「生き生き」をサポートしていくのかお話ししたいと思います。