日本リハビリテーション専門学校の作業療法学科には、大学で心理学を専攻されていた方が再進学で入学されるケースが少なくありません。そこで今回は大学で心理学を専攻された方が作業療法士を目指すメリットとデメリット、そして将来の就職先についてまとめました。
-目次-
大学で心理学を専攻した人が作業療法士を目指すメリット
大学で心理学を学んだ人が作業療法士を目指すメリットとしては以下の事があげられます。
作業療法士の仕事は心理学的知識を必要とすることが多いため、心理学の知識や技術を活かすことができます。例えば、患者さんの心理的な問題やストレスを理解し、適切な対応をすることが求められます。
作業療法士は、患者さんがより自立した生活を送ることができるように、日常生活に必要なスキルを教えたり、訓練したりすることが仕事の中心です。このため、心理学的な観点から見た行動変容や学習理論などに関する知識を持っていることは、作業療法の効果的な実践につながります。
心理学を学んでいる人は、臨床心理学や発達心理学など、多様な分野について学ぶことができます。作業療法も、精神障害や発達障害、脳損傷など、幅広い分野にわたるため、心理学の知識が役立ちます。
作業療法は、チーム医療の一環として行われることが多く、医師や看護師、理学療法士、言語聴覚士など、多職種と協働して治療を行います。心理学を学んでいる人は、他の専門職とのコミュニケーション能力を高めることができます。
以上のように、心理学を学んだ人が作業療法士を目指すことには、作業療法に必要な知識や技術を身につけることができ、また、他の専門職と協働するためのスキルを身につけることができます。
大学で心理学を専攻した人が作業療法士を目指すデメリット
では逆に、大学で心理学を学んだ人が作業療法士を目指す場合、デメリットとなることはあるのでしょうか。
心理学を学ぶことで、人間の心理や行動に関する知識や理論を身につけますが、作業療法士の仕事は、身体的な障害や疾患に対するリハビリテーションに重点を置いています。そのため、心理学の知識を直接活かすことはできない場合もあります。
作業療法士には、医学的な知識や解剖学、生理学、神経学、運動学などの専門的な知識が必要です。これらの分野は、心理学の領域とは異なるため、学ぶ必要があります。
作業療法士になるためには、3年または4年制の専門学校に再進学し、カリキュラムを全て履修した後に、作業療法士国家試験に合格する必要があります。試験対策や実習など、多くの時間と労力を必要とするため、長期的な視野で取り組む必要があります。
以上が、心理学を学んだ人が作業療法士を目指す場合のデメリットの例です。しかし、これらのデメリットは、資格取得後のやりがいや充実感、社会貢献度の高さなどに比べると小さくなることもあります。自分の適性や興味に合わせて、将来のキャリアプランを考えることが重要です。
心理学専攻の大学を卒業したときの就職先
心理学を専攻した場合、以下のような就職先が考えられます。
臨床心理士
臨床心理士は、患者さんの心理的問題や精神的な問題を診断し、適切な治療法を提供する仕事です。大学院で臨床心理学を専攻し、臨床心理士国家試験に合格することが必要となります。
教育現場
心理学の知識を活かして、教育現場で教育に関する相談や指導、子どもたちの心理的な問題に対応する仕事があります。教育機関や学校、教育支援センターなどで働くことができます。
企業
企業での人事採用や労務管理、社員のメンタルヘルスケアなど、人材育成や心理的な問題に関する仕事があります。大手企業や人材サービス会社、総合人材派遣会社などで働くことができます。
行政
行政機関や福祉施設での相談業務や支援事業、児童養護施設や保健所などでのケアマネージャーなど、地域の福祉に関する仕事があります。
メディア
心理学の専門家として、テレビやラジオ、雑誌などのメディアに出演し、心理に関するトークショーなどに参加する仕事があります。
上記は一例ですが、心理学を専攻した人には、様々な分野での就職先があります。自分の興味や関心に合わせて、就職先を選ぶことができます。
作業療法士の国家資格を取得したときの就職先
作業療法士の就職先には、医療機関や福祉施設などが挙げられます。以下に代表的な就職先を紹介します。
病院
病院のリハビリテーション部門や外来で、患者のリハビリテーションを担当する作業療法士が多くいます。急性期から回復期、慢性期まで幅広い分野での就職が可能です。また作業療法士は精神科病院で活躍する事もできます。
訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションサービスでは、自宅や施設を訪問し、患者の生活機能や社会復帰支援などを行います。
福祉施設
特別養護老人ホーム、障害者福祉施設、児童福祉施設、就労支援施設など、様々な福祉施設での就職があります。それぞれの施設で、患者の生活や社会生活の質を向上させるためのリハビリテーションを担当する作業療法士が活躍しています。
学校
学校教育現場でも、特別支援学校や幼稚園、小学校、中学校、高等学校などでの就職があります。児童生徒の発達や生活能力を向上させるためのプログラムの開発や実施、アセスメント、カウンセリングなどを行います。
企業
企業での健康管理やリハビリテーションに関する業務を担当する作業療法士が増えています。企業内での障害者雇用促進やメンタルヘルス対策などにも携わることができます。
以上が、作業療法士の代表的な就職先の例です。
日本リハビリテーション専門学校には毎年3000人分以上の求人が全国から集まり、就職率は開学以来100%となっています。作業療法士の求人は年々増加している傾向にあり、将来的にも需要が高い職業の一つと考えられています。
有資格者支援金で資格取得をサポートします
日本リハビリテーション専門学校では、作業療法士や理学療法士を目指している医療福祉系の資格をお持ちの方のキャリアアップを応援する為、有資格者支援金制度を設けています。
対象資格
介護福祉士/保育士/社会福祉士/精神保健福祉士/介護福祉士実務者研修修了者/介護職員基礎研修修了者/介護職員初任者研修修了者/ホームヘルパー(1級もしくは2級)/柔道整復師/はり師/きゅう師/あんまマッサージ指圧師/看護師/臨床工学技士/臨床検査技師/診療放射線技師/救急救命士/歯科衛生士/健康管理士/福祉用具プランナー/福祉住環境コーディネーター/福祉用具専門相談員/アスレティックトレーナー/音楽療法士/准看護師/教育職員免許状(普通免許状)/健康運動指導士/公認心理師/臨床心理士
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