作業療法学科 夜間部 卒業生
小路口 千尋さん
長く、安定して働ける仕事。
人生何度でもトライできる。
学科 | 作業療法学科 夜間部 |
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卒業年度 | 平成27年度 |
勤務地 | 一般財団法人精神医学研究所付属 東京武蔵野病院 |
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趣味/特技 | クラリネット演奏 |
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心も体も疲れ切った時、リハビリが癒してくれた。
社会人はシビアに学校を選んでいる。
とにかく「人」に恵まれた。「心までケアしてくれたリハビリ体験」
- Q. キャリアチェンジをし、作業療法士を目指されわけですが、以前はどのようなお仕事をされていたのですか?
- 大学を出て一般企業に勤めていました。営業を担当していましたが、週5日は出張で家を留守にするほど忙しい職場でした。
- Q. なぜ、キャリアチェンジをし、作業療法士を目指すことにしたのですか?
- 私は、生まれつき左腕が悪く、手術や入院も数えきれないほどしてきました。ただ、だからと言って医療職に就きたいと思ったことはありませんでした。
前職があまりも忙しく、もともと悪かった左腕が気づけば長期療養をせざるを得ないほど悪化してしまっていました。
それまでは若さで乗り切り、リハビリなんてちゃんと受けたこともなかったのですが、さすがにリハビリを受けるようになりました。
当時、心身ともに疲れ切っていた私にとって「リハビリ室」に居ることが癒しで、何も気を張らずに安心して過ごせる大切な場所、私にとってはかけがえのない時間となっていました。
そんな流れで、長く安定して働ける職業を模索し始めるようになり、リハビリを担当して下さった作業療法士の方に転職について相談したところ、「作業療法士になってみない?」と言ってもらいました。それがきっかけで作業療法士を目指しました。
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「日リハ夜間部だから卒業後の可能性が広がる」
- Q. 一回社会に出てからの学び直しは勇気がいることと思います。また、だからこそ学校選びは慎重にされたと思います。なぜ日リハを選んだのでしょうか?
- まず日リハを知るきっかけになったのは、私に声をかけて下さった作業療法士の方の出身校であった、ということです。とはいえ、そんなに単純に学校選びは出来ず、やはり社会人として現実の厳しさを知っているからこそ自分の出身大学のグループ大学を検討したり、3年制の学校や、学費が安い学校も検討しました。
その中でも、夜間部でありながら充実した授業内容・卒後のフォロー体制・高度専門士取得等に魅力を感じ、日リハを選びました。他にも挙げればきりがないほど魅力いっぱいでした。特に、大学院への進学も検討していたので「夜間部でも高度専門士(大卒同等資格)が得られる」という点は重要な要素でした。
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「辛い時もみんな一緒で乗り越える」
- Q. 日リハでの学生生活はいかがでしたか?
- とても濃い日々でした。夜間部は本当にいろんな人がいて、年齢やそれまでの職歴、そして人柄も様々です。その分、いろいろな経験値を積んできた人が多く集まるので、効率よく学ぶには良い環境で、社会人には重要だと思います。
楽しいことばかりではなかったというのが正直なところですが、辛い時や苦しい時は私だけではなく、みんなそれぞれに頑張って戦っていて、そんな姿を見ると「私だけじゃない。頑張らないと。」と思えました。試験前に仲の良い友人達と集まって勉強会をしたり、打ち上げに飲みに行ったり、学生生活のすべてが大切な時間でした。
今もセミナーで偶然あったり、連絡を取り合って情報交換をしたりしています。
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「在学中・卒業後のフォロー体制が充実」
- Q. 在学中、日リハで良かったというエピソードはありますか?
- 学生へのフォロー体制は本当に整っていたと思います。先生方はみなさん熱心で、いつも真剣に学生に向き合って下さいました。実習で壁にぶつかった学生がいれば、先生が遠方までわざわざ励ましに来て下さいました。時には、遠方にも関わらず終電で日帰りする、なんてこともありました。
夜間部の学生は年齢も様々ですし、きっと指導するって大変なことだと思いますが、それでも「学生」としていつも支えて下さいました。
そして事務の方々もとても親切で、実習中に困ったことがあって電話しなければいけない時も、体調を気遣ってくれ、事務的な手続きだけではない心遣いに、温かい気持ちになれたのを今でも覚えています。つまり「人」に恵まれたことが日リハで良かった一番の点です。
卒業後も授業聴講できるところはとても魅力です。産休などで現場を離れていた人や、分野を変えたい人が参加することも。忘れていた知識を学び直すのにありがたい場です。
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「何度でもトライできる」
- Q. 作業療法士となった今、現場で日リハの学びは生かされていますか?
- 生かされていると思っていますが、まだまだ生かしきれていないのではないか、とも思います。現在は精神科病院で働いているので、精神科の分野がメインで患者様と関わっていますが、身体機能にもアプローチが出来ることはたくんさんあります。また、精神科を受診する患者様の中には、挫折を経験された方もいらっしゃいます。私は日リハで何歳になっても自分が望めば変えられることを学びました。人生は人それぞれで、何が正しいことかはわかりませんが、何度でも挑戦することができます。自分が身をもって経験したことを治療に生かせれば、と思います。
そのためにも、まずは学んだことをちゃんと自分の中で整理し、もっと生かせるように頑張りたいと思っています。
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「常に自然体で」
- Q. 理想の作業療法士像を教えてください。
- 一緒に過ごす時間がホッと出来るような作業療法士になりたいと思っています。自分自身がそうであったように、作業療法士の方にリハビリしてもらった経験自体が「励み」になるような、そんなリハビリを提供出来るようになりたいです。世の中いろいろな人がいますが、まずは自分が緊張せず、意識しすぎないで自然体で接していきたいです。
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「支えがあるから乗り越えられる」
- Q. これから日リハで作業療法士を目指す方にアドバイスをお願いします。
- 学生生活の中には辛いこともあるかもしれません。でも、そんな時は周りを見てください。心配してくれる先生や職員の方々、励ましてくれる友達がきっといます。そんな日リハの環境なら乗り越えていけると思います。作業療法士という仕事は本当に魅力的な仕事です。作業療法士として働き始めて、日々充実していてやりがいを感じています。ぜひ4年間を大切に過ごし、作業療法士としてスタート出来る日を目指して頑張ってください。