作業療法学科 昼間部 4年生(2022年3月現在)
奥村 沙和さん
患者さんの気持ちがプラスに
シフトするきっかけをつくりたい
学科 | 作業療法学科 |
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学年 | 昼間部 4年生 |
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趣味/特技 |
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国家試験の勉強に勤しむ作業療法学科4年生の奥村沙和さんに、4年間の日々について振り返っていただきながら、自分の苦手を克服した実習の貴重な経験から、春から現場に出ることに対する率直な想いをうかがいました。
「作業療法士の仕事はかっこいい」
- Q. 奥村さんが作業療法士になりたいと思ったきっかけを教えてもらえますか?
- 私はもともと子供の頃から医療系の職業に就きたいと思っていました。そういう想いを抱く人のほとんどがそうであるように、ずっと看護師がいいかなあと考えながら毎日を過ごしてきたのですが、高校3年生になっていざ実際に進路を考える必要になった時に、「私は本当に看護師になりたいの?」とふと思ってしまいました。
そこから、看護師以外の職業を調べるように。そんな時に作業療法士という職業の存在を知り、看護師のように日常的なケアを行う仕事内容よりも、その人ができることを支援していく作業療法士のアプローチに魅力を感じたのです。その人の人となりを看ることができるのも作業療法士の特徴だと思うのですが、できることへの支援をすることは、当時の私にとってはとてもかっこいいと感じることでした。
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「オープンキャンパスに心を動かされる」
- Q. 数ある学校の中から奥村さんが日リハを選んだ理由はどういうところにあるのでしょうか?
- 作業療法士を目指すにあたって日リハに魅力を感じた点としては、やはり4年制であることですね。4年間あればゆとりをもって勉強ができるだろうと思いました。オープンキャンパスに参加すると、先輩方とお話をする時間が設けられていたのですが、皆さんの雰囲気がとても明るくて、日リハについて親身になってあれこれ教えていただいたことが印象的で、それも背中を押してくれたことの一つです。
実際に入学してみて、やはり私にとってゆとりをもって毎日に臨むことができたなと感じています。これは入学前にはわからなかったことですが、テスト前などもクラスのみんなで「頑張って乗り越えよう!」という雰囲気になって、皆と一緒に頑張ることができました。
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「コロナ以後の学びの大変さ」
- Q. 奥村さんの代は、入学から最初の2年間は普通の学生生活、そして次の2年間はコロナ禍の中での生活と明確な線が引かれています。そのあたりはどうでしたか?
- 3年生になってからはコロナ禍での学びになりました。初めての事態に、私たち学生だけでなく先生方や職員の皆さんも戸惑いの連続だったとは思いますが、クラスメイトに会えなくなったもののZoomやLINEのビデオ通話などのツールを駆使しながら、一緒にオンライン勉強会をやっていました。それでも、どうしてもZoom授業は対面授業と比べて、自宅で受けるぶんだけ緊張感に欠けてしまう面は否めませんでしたが、そこは先生がパワーポイントを工夫してくださったりして、私たちが授業に入り込めるように取り組んでくださいました。
4年前の自分が見たらびっくりするとは思いますが、やはり勉強をとてもするようになりました。高校時代は勉強に自信がなく、入学前はついていけるか心配だったのに、勉強をすることが楽しいと感じられるようにまでなったのは、やはり友人たちのおかげです。一緒に勉強をするだけでなく、お互いに協力し合う。目標に向かって勉強を楽しみながら成長していくことができたと思っています。
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「長期実習を経験して自らの成長を感じる」
- Q. 長期実習を通して、奥村さんが成長したと感じる点について教えてください。
- 実習は、今の自分にとって足りていない部分をしっかりと見つめないといけない時間が多々ありました。それはしんどい作業ではあったのですが、自分の苦手とすること、逆に得意とするところ、そのいずれも知ることができた貴重な経験です。苦手な部分から目を背けるのではなく、そこを変えてみようと思い立ち、結果的にそれができたことは自分が成長できたと感じるところです。
- Q. 苦手な部分とは具体的にはどのような点だったのですか?
- 私は新しいことに挑戦したり、一度失敗してしまったことをもう一度やってみたりすることが大の苦手としています。同じ失敗を重ねたくないから怖気づいて消極的になってしまうタイプ。本当は、上手くいかなかったからといってそこで諦めてしまうのではなく、工夫をして勇気をもってリトライしなくてはいけないのに、「違う視点からアプローチしてみる」と言い聞かせてしまっていました。
それでも、実習の時に先生方から「もう一度やってみたらいいと思うよ」と言われて、環境を整えてくださって再チャレンジしたら上手くいったということがありました。結果的に上手くやれたこと以上に、一歩踏み出した自分の成長を感じることができました。
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「現場に出ることへの不安と期待」
- Q. 奥村さんは、春からはいよいよ現場へ向かいます。期待や不安、意気込みなど今感じていることを聞かせていただけますか。
- 実は進路については悩みに悩みました。私の実習先は、身体障害分野の病院と精神の病院と発達障害の施設でした。そこで様々なパターンの実習を行ったのですが、その先々でそれぞれの良さを感じたことで悩みとしてどんどん大きくなっていき、「私はどこの分野に行きたいのだろう?」と思うようになりました。でも、色々と考え抜いた結果、精神領域の病院に勤めたいとやっと方向性を決めました。
正直、今は期待よりも不安の方が大きい状況です。実習の現場でお会いした作業療法士の方々のような振る舞いが私にできるのだろうか、そして患者さんに対して的確な指導やアプローチができるのかという不安を感じています。それでも、実習で感じたやりがいや楽しさの部分を、自分自身の力で実現できるかもしれないということは期待している点でもあります。
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「患者さんの気持ちをプラスへとシフトする」
- Q. 奥村さんは、この先どのような作業療法士になりたいと考えているかを教えてください。
- とりわけ精神の病院の実習でお会いした作業療法士の方のように、「患者さんに対して良い方向に心が動く時間を作ることができる作業療法士」になれたらと思っています。
これは精神の分野に限らず、どの領域でもそうだと思うのですが、私がリハビリで作業療法を行う中で、「できるということを感じてもらえる」「些細なことであっても将来に対しての思いが良い方へと変わる」など、患者さんの気持ちがプラスへとシフトする時間やきっかけを作る作業療法士になっていきたいです。