作業療法学科 夜間部 卒業生

関崎 優香さん

命と直結する場所「SCU」
からはじまったキャリア
授業での学びは入職後に必ず役に立つ

学科 作業療法学科
卒業年度 2020年3月卒業
勤務先 介護老人保健施設「遊」勤務
 
趣味/特技
  • 日リハウェブサイトの人気コンテンツ「日リハ夜間部女子が日々の学びを語り合う。」に登場してくれた関崎さんが、「日リハの人々」に登場! 座談会時は4年生だった関崎さんに、入職後の2年間の率直な想いを語っていただきました。

    「脳卒中の急性期治療専門病棟(SCU)に配属」

    Q. 関崎さんには、以前に「日リハ夜間部女子が日々の学びを語り合う。」に登場していただいてからのストーリーを語っていただきたいと思います。入職後のことを振り返っていただけますか?
    圏央所沢病院に入職しました。最初の配属先は脳卒中の急性期治療専門病棟(SCU)でした。1年目にどこに配属されるかは選ぶことはできなかったのですが、入職直後のオリエンテーションで内示を目にした時には、「えっ、急性期……。果たして私に務まるのかな……」と率直な想いが頭をよぎってしまいました。
    在学中は、最初は回復期からキャリアをはじめていくのかなと漠然と思っていた上に、その頃から患者様の容体が刻一刻と変わっていく場所である急性期に対して、苦手意識があったからです。

    SCUは脳卒中発症して間もない患者さまが運ばれてきて経過時間や状態に応じて手術になる方や点滴での治療となる方など様々いらっしゃいます。そんな中、リスク管理を行いながら状況を判断し、早期離床にてより良い機能回復を目指していく場所でした。
  • 「命に直結する場でギリギリの判断を行う日々」

    Q. SCUではどんな毎日を過ごされていましたか?
    脳梗塞では点滴治療中でも介入を行います。麻酔や覚醒の状態にはムラがあったり、脳卒中を発症して直ぐはよくも悪くも変動しやすいためそこがちゃんと自分に評価できるのか心配でした。くも膜下出血では脳血管攣縮によって脳梗塞が起きてしまうこともあるので……。

    リスク管理とフィジカルアセスメントを見て介入をして、変化がないか容体が変わってないか、それを見極めることに必死になっていた1年でした。なによりも命に直結する場所なので、少しの間の離床で心臓に負担がかかってないかなど、色々と考えながらやっていました。
  • 「日リハの豊富な実習時間が実践で役立つ」

    Q. いきなり大変な1年目を送られていたんですね……。日リハでの学びが役に立ったと感じたことはありますか?
    最初の1年目で、リスク管理において「こうしたら危ない、ここにまで行くとドクターや看護師を呼ばないといけない」という基準軸を自分の中に作ることができたので、すごく良い経験になったと思っています。
    最初に急性期を経験できてそれが自分の基礎になる土台になって本当に良かった、と。もちろん1年目のSCUの渦中においては、毎日が怒涛のように過ぎ去っていったので、これは改めて2年目以降に振り返って思うことでもあります。

    日リハでの学びですが、やはり他校と比べても実習の量が圧倒的に多いので、そのぶん見てきた分野がたくさんあります。圏央所沢病院は急性期だけでなく回復期や維持期など様々な領域があるので、実習での経験が役に立ったと思いますし、回復期だけでなく生活期のことまで想像ができるなど、先のことまで考えることができました。

    実習で積み重ねてきたことで、ある程度のことは予期できるようになっていたと思います。SCUの現場でも頭が真っ白になってしまうような経験はありませんでした。
  • 「夜間部だからこそ身につけることができたもの」

    Q. 関崎さんは高校卒業から夜間部に入学されましたが、そこでの4年間は関崎さんにどのような影響を与えたのでしょうか?
    やはり、クラスメイトは社会人経験がある方がほとんどだったので、ビジネスマナーや敬語などを教えていただきました。人生の先輩でもあるクラスメイトの皆さんにとっては当たり前のことですが、高校を卒業したばかりの私にとっては初めて知ることばかり。例えば、お世話になった施設へのお礼の手紙の書き方や、実習先への電話のかけ方とかですね。

    入職後、1年目で「礼節」の部分を割と評価していただけたのも、夜間部でクラスメイトにしっかり教えてもらえたからだと思っています。患者様への礼儀やマナー、言葉遣いから、上司への「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」の部分に対する評価ですね。

    それに、私自身は前に立って引っ張っていくのが苦手なのですが、グループワークで率先してやっていただけたので、それを見て立ち振る舞いなどを学んでいくことができたのも大きかったですね。それ以外にも、勉強ができる人が多かったので、私自身も「もっと勉強しなくては」という気持ちになりました。だからといって、皆さんの様子を見て焦ってしまうと元も子もないので、自分なりのやり方で勉強を積み重ねていくことができました。
  • 「座学での学びは入職後に必ず役に立つ」

    Q. 入職後を振り返って、在学中に「これをやっておけば良かった」と感じることはありますでしょうか?
    間違いなく英語ですね! 脳卒中センターであるSCUで最初にカルテを開いて治療の経過を見ても全部英語で書かれていて。血管名も部位もすべて。それを見た時に「英語の授業も含めて真面目にやっておけば……」と感じましたね。どれもそうですが、いらない授業なんて全くなかったということに入職後に気づきました。

    国家試験に出題されるわけではないので、おろそかになってしまった部分もあります。国家試験はもちろん大事ですが、統計学や英語などは現場に出るようになってから重要性を感じる部分です。今現在学び直している部分がそこだったりします。座学は本当に大事です!

    あとは、業務報告がすべてエクセルを使って入力するので、使えるようになっていて損をすることはないです。パソコンの入力がスムーズに行けば、業務の効率が向上しますから。利用者様と関わる時間以外を効率的に行うと、そちらに時間をしっかりと割くことができるようになります。
  • 「これからのキャリアプランについて」

    Q. 最後に、関崎さんは今後どのようなキャリアを思い描いていらっしゃるのか、教えていただけますか?
    2年目からは、グループ内の介護老人保健施設「遊」に異動になり、生活期のリハビリを担当しています。今後は、自分が高次脳機能障害の分野に興味を抱いているので、まだ経験がない回復期に行って、そこで働きたいと思っています。

    さらに、今現在の生活期のリハビリのその先である、「リハビリをしてもらう」のではなく、自分から身体作りをしていくようになっていただくために、生活の場であるご自宅でも維持ができたり、基礎をつくっていけたりする現場に関わりたいという思いもあるので、訪問介護に関わり地域に出ていくという選択肢も考えています。