理学療法学科 夜間部 卒業生
蓮井 智晶さん
資格の取得で終わりではなく
勉強の継続の大切さを学ぶ
学科 | 理学療法学科 |
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卒業年度 | 2020年3月卒業 |
勤務先 | 東武練馬中央病院勤務 |
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趣味/特技 | カメラ、ゴルフ、御朱印集め |
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2020年4月という、第一回目の緊急事態宣言発令直前に入職した蓮井さんに、入職後の日々を語っていただきました。コロナ禍という特殊な状況下で理学療法士として働きはじめたことで直面した壁や、そこで身をもって感じた学びとは。
「最初の緊急事態宣言下での入職」
- Q. 蓮井さんが入職されたのは、まさに社会がコロナ禍に突入したタイミングでしたね。その時のことを振り返っていただけますか?
- もともと私は急性期の病院を希望していましたので、就職先も全部その領域で探していました。それが色々な病院の見学に行くうちに、どこに決めればいいのかがわからなくなってしまったのです。そこで普段からお世話になっていた先生にその旨を率直に伝えて相談したところ、今の病院を紹介していただきました。急性期ではなく回復期の病院ですが、結果的には正解だったと思います。
ただ、私が入職した2020年4月は、コロナ禍で最初の緊急事態宣言(2020年4月7日)が発令される直前のことでした。日リハのクラスメイトが一人、同期として共に入職しています。すべてが初めての対応となった1回目の緊急事態宣言の最中はかなりの厳戒態勢で、本来予定されていた歓迎会や1年目と2年目のスタッフの交流会も中止になりました。
家と職場の往復だけで過ぎていく日々で、プライベートの話を自分から積極的にしないと上司や先輩、他部署の方と深く関わることができない状況でしたね。例年よりも、関係性の面において距離があったことは否めませんでした。「親交を深める」ということが、こんなにも難しいものだと感じるなんて思ってもいなかったです。 - Q. 日リハで学んだことがその際に役立ったことなどはありましたか?
- 日リハで経験してきた実習時間を伝えると、「多いね!」と言っていただけるので、それだけでも職場の方からは良い印象をもっていただけました。やはり、学生のうちから多くの経験を積めたことは大切なことだと感じています。
それに実際に働いてみてよく思い出すのは、実習で学んだ知識の数々でしたし、日リハの先生方が授業で話されていたエピソードでした。日リハの先生は、授業以外の時間を理学療法士として活躍されている方も多いので、雑談の中でしばしば病院でのお話を披露していただきました。
それは患者様の症例から患者様との関わり方の具体例もありましたし、理学療法士としての生の声や心境でした。なかなか聞くことができないものですし、逆に自分の入職後の姿も授業の段階からイメージすることができていましたね。
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「2年目にぶつかった壁」
- Q. 想像するだけでも、蓮井さんが越えられてきたハードルの高さが相当なものだったことが伝わります。
- 入職したからには社会人の一員ですので、その自覚を持ちつつ、仕事を覚えていきました。職場の先輩からリハビリのアドバイスをいただきながら、それを患者様に提供していくことで信頼関係を構築していく。手取り足取り教えていただくことがコロナ禍では物理的にできなかったので、自分で勉強をしながら理解を深めていきました。1年目は特にそのことを意識しながら仕事を続けていきましたね。
そして、2021年の2年目は、体感的には1年目よりも早く時間が過ぎていきました。1年目はバイザーの方が必ずついてくださるので、それに基づいて業務を行いましたが、2年目になると独り立ちしないといけない上に、後輩も入職してきます。さらに、実習生の見学も受け入れていますので、その対応に迫られます。
具体的には実習生からの質問に対して、自分がやっていることを言葉にして説明しなくてはいけないのですが、改めて自分がやっていること「こういう評価をしたからこういうリハビリをしている」を伝わるように説明していくことに対して難しさを感じました。だからこそ、1年目よりも仕事が楽に進められていると感じたことはありません。むしろ、知識や技術の不足は2年目の方が強く感じていることです。
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「最初の患者様とのリハビリ、そしてお礼のハガキ」
- Q. 現場で心に残っている患者様とのやりとりについて教えてください。
- 入職して1番最初に担当させていただいた患者様とのことが今も心に残っています。その患者様は、リハビリに積極的に取り組むことができず、主にコミュニケーションの面で苦戦しました。上司に相談しながらリハビリを進めていき、どうにかご自宅へ退院されたのですが、それから数ヶ月後に私宛にハガキが届きました。
そこにはリハビリに対するお礼の言葉と、「自宅で元気に過ごしています」という現状の報告がありました。すべてが初めての経験だったこともあり、とても嬉しかったのを鮮明に記憶していますし、そのハガキは今でも大切に保管してあります。このことは、理学療法士として働いていく上で自信に繋がった出来事になりました。
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「入職3年目の新たなチャレンジ」
- Q. 2022年4月からは3年目に突入するわけですが、蓮井さんがこれから目指すことについて教えてください。
- 2022年夏にグループの新しい病院(練馬高野台病院)が開院する予定で、私はそこに異動する希望を出しています。同じ回復期の病院になるのですが、地域密着型のケアミックス病院で、「ひとり一人にあわせた、総合的・包括的リハビリテーションの実践」を掲げています。新しく立ち上がる病院に携わることができる機会はそうそうないことだと思いますし、タイミング的にも3年目の半ばなので新しいことに挑戦してみたいです。
回復期で続けていきながら、いずれは訪問リハビリのように病院の外に出られるような領域も経験したいと思っています。
そのためにも、まだまだやっぱり勉強を頑張らないといけないと感じています。今は夜間に開催される勉強会に参加しています。半年間のコースで毎週一回のペースで行われています。参加者は私と同い年から10年目の人まで10名程度。働き始めてから想いを強くしているのが、勉強を継続していくことの大事さ。私には職場に尊敬できる先輩がいるのですが、「先輩が行う仕事に少しでも到達したい」という思いから、その人が参加されていたこのコースを選びました。今後も、勉強を怠ることなく理学療法士としての仕事をしていきたいと思います。
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「私が目指す理学療法士像」
- Q. 最後に、蓮井さんがなりたい理学療法士像について教えてください。
- 患者様の退院後の生活までしっかりと見据えることができる理学療法士です。患者様とのリハビリ中に交わす会話の端々から、その方の趣味や生活スタイルを知ることも多々あります。何よりもそれを引き出していくためには、コミュニケーション能力が大事だと考えています。
また、社会的な情報や娯楽など、リハビリ以外の分野も知れていると、退院後の生活まで見据えやすいと感じていますので、勉強も継続していきながら、もっと視野を広げていけるようにすることが今後の目標ですね。