理学療法学科専任教員

重國 宏次先生

国家試験全員合格で
現場に送り出した担任の思い

学科 理学療法学科専任講師
主担当科目 運動療法学/運動学実習
専門分野 高齢者の運動療法/介護予防分野
趣味/特技 音楽鑑賞
  • 「国家試験合格率100%達成」

    Q. 合格率100%達成おめでとうございます!
    おかげさまで私が担任として関わった理学療法学科昼間部の卒業生は、第52回の国家試験で全員が合格しました。卒業生ひとり一人が実力を発揮し、クラスメイトと一致団結して乗り越えた結果だと考えています。私も多少なりともそのお手伝いができて幸いです。
  • 「諦めるな、ひとりじゃない!」

    Q. 国家試験合格に導くために重要なことは何でしょうか?
    国家試験の勉強は範囲も広く、一人で学習するのには限界があります。とにかく毎日学校に来て、クラス全体で取り組むことが重要です。一緒に学ぶことで、覚えた事を他者に伝える、教え合うことで記憶が定着しやすくなり、理解が深まります。年々理学療法士の仕事に対する認知が上がり、この仕事を目指す人が増えたことで国家試験のレベルも上がってきています。また、医療の進歩に伴い、私たちの学生時代には学ばなかったことも今の学生たちは求められます。
    学生たちの自主性を尊重することも大事ですが、長期に渡り勉強に対するモチベーションを維持することは容易ではありません。短期目標を設定し、いかに自分の努力が身になっているのか、ということを確認させるために、定期的に小テストを実施したり、個別に相談にのったり。教員も一丸となって綿密な対策を取る必要があります。終盤、成績が伸び悩み不安を感じる学生もいます。そんなときは個別に面談し、できていないところだけに目を向けるのではなく、上がっているところに目線を向かせ、しっかり学習の成果がでている、ということを実感させます。この成功体験が重要です。そして、集中的に学ぶべきところを導いてあげます。学生同士のコミュニケーションも深く、余裕のある学生は自然とまわりのフォローをし、勉強の進め方など私に提案をしてくれることも。たいへん参考になります。みんな心から心配し、支え合う姿は誠実で、「全員合格」という目標に向かって団結しています。
  • 「やればできる!」

    また、国家試験対策とは別に、授業の理解が不十分な学生を数名集めて行う補講(寺子屋式補講)を担当しています。ある年の1年生の補講で初回に「なんで、今日ここに集まってもらったか知っている?」と聞くと、間髪入れずに「クラスで一番伸びしろがあるからです!!」と返ってきて。みんなで笑いながら妙に納得し、それから「チーム伸びしろ」と呼称することになりました。補講というと少しネガティブなイメージを持ってしまう学生もいますが、とにかく前向きでした。みんなできないのではなく、やり方を知らないだけなのです。授業とは違う角度から、学生と双方向のやり取りができるのですぐに遅れを取り戻せます。
  • 「不安と緊張の最中、助けてくれた」

    Q. ところで、先生はなぜ理学療法士の道に進んだのですか?
    サッカーが原因で中学二年の時に右膝を手術しました。ストレッチャーから手術台に乗せられる、あまりに非日常的な体験。不安と緊張でガチガチになっていた自分を、看護師さんが何気ない雑談で日常に引き戻してくれたおかげで落ち着きを取り戻し、安心して手術に臨めました。
    その時、漠然と医療の仕事に憧れを持ったのがきっかけです。元々、人の話を聞くのが好きで、すんなり理学療法士になる道を決められました。
  • 「日リハでよかった」

    Q. 日リハはどんな学校ですか?
    自分自身が日リハで学び、教員として働く中で一番感じるのは、学生と教員の距離が近いことです。また、学生同士も4年間濃密な時間を同じクラスメイトと共に学び、目的を共有し助け合うことで絆が深まり、友だちを超えた関係性を築くことができます。これは大学や他の専門学校にはない、日リハの特徴のひとつではないでしょうか。
  • 「勉強も遊びも全力で」

    Q. 日リハではどんな学生時代を過ごしましたか?
    平日は学校、アルバイト、趣味活動。金曜日は大体、バイトの後にバイト仲間と飲み会でした。とにかく忙しかったように思います。それでも、試験の1ヵ月前からテストモードで準備をはじめ、放課後は図書室が閉まるまでクラスメイトとよく勉強していました。疲労もあって居眠りしていたところ、事務員さんに優しく起こしてもらったことを今でもおぼえています。
    試験直前は一度帰宅し夕食を済ませ、家が近いクラスメイトの車で一緒にファミレスに行き、深夜まで勉強をしました。家は休むところで学校は勉強するところ、というメリハリをつけていましたね。でも、遊ぶときはしっかり遊ばないと。オンオフの切り替えは大切です。
  • キーワードは「学ぶ」

    Q. 卒業後、現場で感じた理学療法士の仕事の魅力は何ですか?
    学ぶことが多いことです。自分の知識の広さや深さを増すこと、技術を向上させることが対象者(患者、利用者)に直接影響します。日々の向上心が欠かせません。
    また、とにかく様々な方と接する機会が多いので、対象者から学ぶことも非常に多くあります。人生観、死生観、戦争体験などから、子育て、ちょっとしたおつまみの作り方や資産運用のことなど、本当に多岐に渡ります。理学療法士の仕事を通じて人間としての成長を日々感じています。
  • 「人と向き合う」ということ

    Q. 教師として、学生に何を伝えたいですか?
    私たちの仕事は、できないことができるようになったから終わり、ではありません。人それぞれ置かれている立場や取りまく環境、今まで歩んできた人生や役割によって必要とされる生活機能やゴールは違います。
    ただ単に専門性をもって「疾患名や局所の症状」だけで独り善がりな判断をしてしまうと、相手が求めていないことを提供してしまうことになりかねません。まずはその人の背景や興味・関心のあることなど、情報を得た上で「どう答えを引き出し治療や訓練に繋げるか」が出発点です。目的や目標は様々ですから。
    その人にとってのクオリティ・オブ・ライフとは何か? 幸せとはなにか? ということを常に考えることが大切です。理学療法士としての仕事に限界を感じることもあるかもしれません。でも、病気を治すことができなかったとしても、その人の生活や人生の質をより豊かにすることはできます。「人と向き合うこと」が最も重要だと伝えたいです。
  • 「卒業生は家族を超えた関係!?」

    Q. 卒業生とはどのように繋がっていますか?
    卒業生はみんな努力して夢を叶え、自分の目標としていた道に進んだわけですが、患者様と日々向き合っていれば当然悩みを抱えることもあります。そんなとき卒業生たちは電話をくれたり、直接学校へ会いに来てくれたりします。もちろん飲みに行くこともあります。つい先日まで日リハで学んでいた学生が、悩みながらも仕事にやりがいを感じ、今がんばっていることをイキイキ話してくれる姿を見ると、とにかく嬉しいですね。あらためて教え子たちの成長を感じます。
    卒業生は友達とも家族とも違う、同じ道を歩む「同士」とでもいうのかな?卒業したら終わりではなく、この先もずっと一緒に成長していける仲間です。
  • 「迷ったときは、日リハへ」

    Q. これから入学する学生や保護者のみなさまへのメッセージはありますか?
    学生たちはこれからまだまだ新しいことをたくさん経験していきます。そこには楽しいこともあれば辛いこともありますし、それらを経験したからこそ生じる迷いや不安もあったりします。
    私は学習面だけでなく、理学療法士や社会人の先輩として、また、母校の先輩として、皆さんの人間性を尊重しサポートできればと思っています。学生は右往左往して良いと思っています。それを聞くことのできる体制はありますから安心して通ってください。
    学校説明会に来て頂ければ、教員と学生のやり取りなど、日リハの校風を感じて頂けるかと思いますので、お気軽にお越し頂ければ幸いです。