理学療法学科 昼間部 卒業生
畔上 湧司さん
高校時代に果たせなかった
目標に理学療法士として再挑戦
学科 | 理学療法学科 昼間部 |
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卒業年度 | 2021年3月卒業 |
勤務先 | 医療法人社団三水会 北千葉整形外科 美浜クリニック勤務 |
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趣味/特技 | ディズニーに行くこと |
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高校時代まではサッカー一筋だったという畔上さん。日リハでの4年間は勉強も頑張りつつ、学生生活も満喫。今は高校時代に果たせなかった目標に向かって頑張っています。
「このリハビリをちゃんとやれば絶対に治る」
- Q. 畔上さんが理学療法士を目指すことにしたきっかけは何ですか?
- 忘れもしない高校2年生の6月、右膝の「半月板損傷」をしてしまい手術も受けました。その時の僕の目標が選手権出場でしたし、副キャプテンでもあったので、なんとしても最後の大会には間に合わせたかったんです。
復帰プランを半年に設定して7月に手術をしてリハビリに取り組んだのですが、どうしても焦りの方が先に立ってしまい、後から思えばちゃんとしたリハビリができていなかったんです。早く復帰しないといけないという義務感から痛みが取れなくなり、結果的には再手術となってしまいました。
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- Q. それはモチベーションが切れてしまいますね。その後、復帰は出来たのですか?
- 正直言って、プレイヤーとしての復帰は諦めかけました。副キャプテンという立場なのに部活にもろくに出られなかったので、気持ちのアップダウンも大きかったです。でも、僕を担当してくれた理学療法士の方がリハビリへのモチベーションを上げてくれて、「このリハビリをちゃんとやれば絶対に治る」ということと同時に、そのために必要なことや、その時々の段階でできることも理論的に教えてくれました。
それはとても励みになりましたし、だからこそ「自分が諦めずにしっかりやれば復帰できるんだ」という気持ちになれたと思います。
その結果、最終的には高校3年生の6月にプレイヤーとして復帰を果たすことができました。復帰後は練習前に痛み止めを飲んで、ガッチガチにテーピングしてという条件付きではありましたが、予選からずっと試合はフル出場することができました。
だから自分もその時の理学療法士のように、ケガをした人を支えられるようになりたいと思うようになりました。
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「学生生活を満喫しながらみんなで乗り越えた4年間」
- Q. 畔上さんの地元は長野県ですが、県内の理学療法士養成校に進学する選択肢は考えていませんでしたか?
- 僕の場合は、目の前の怪我から復帰することで頭がいっぱいで、3年生になるまで進路らしい進路は一切考える事が出来ませんでした。何よりサッカー優先だったので、長野県予選を勝ち進んでいくと、日程的にオープンキャンパスに行けるチャンスも限られてしまいます。
そんな中で理学療法士になるための進路として長野県内の学校にも見学に行きましたが、決め手がなくて。幸い、祖母が東京に住んでいたこともあって、同居しながら東京の学校に通いたいなと思って、日リハのオープンキャンパスにも参加してみました。 - Q. オープンキャンパスで、日リハのどんなところが良いと思ったのですか?
- 日リハのオープンキャンパスには一度だけしか参加することができなかったのですが、その時の先輩方や先生方の対応がとてもよくて、この学校で理学療法士を目指したいと考えて、すぐに受験することを決めました。
- Q. 実際に日リハでの4年間、どんな学校生活でしたか?
- 僕たちは最終学年の4年次にコロナの影響を受けてしまいましたが、3年生までは普通に学校行事も楽しむことができて、3年次の評価実習は普通に経験できました。だから、正直に言って、勉強のこと以上に遊びやクラスでの想い出が印象に残っています。ボーリングやゲームセンター、カラオケとか、本当に「これぞ学生」みたいな遊びもしてました(笑)
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「理学療法士になりたいと思った時の気持ち」
- Q. 学生生活を満喫しながらも、大変な勉強や実習を乗り越えて無事に理学療法士の国家資格も取得できたのは、畔上さんの頑張りに他なりませんね。現在の勤務先はどのようにして決まったのですか?
- 4年生になったころには、回復期や急性期の病院も考えていました。ですが、自分が理学療法士を目指したきっかけについて改めて考えた時に、スポーツをやっている人や部活動をしている人に関わっていきたいという原点を思い出し、志望を「整形外科」に切り替えて日リハの担任の先生から今の病院を紹介してもらって見学に行って、「ここだ!」と。
- Q. 数ある整形外科の中で決め手は何だったのですか?
- 病院の方針や取り組みに惹かれたというももちろんありますが、何よりも勤務されている方々の挨拶や対応といった礼節がとても素晴らしく、病院の雰囲気の良さにも大きな魅力を感じて決めました。
- Q.日リハに決めた時と大事にした所は同じですね。実際に理学療法士として働き始めてあの頃の理想には近づいていますか?
- 僕の勤務先は千葉市にある病院で、規模も大きく、千葉県内に3院あるグループの中でも比較的若い年代や子供の患者さんが多いのが特長です。入職後、実技試験や研修を経てから患者様の担当になるのですが、日リハで4年間学んできて、もう一回イチから勉強をやり直すような感覚でした(笑)。改めて自分自身が成長できたと思います。
- Q. もともとスポーツで怪我をされた方をサポートしたいと考えていたと思いますが、現在はどのようにスポーツと関わっていますか?
- 僕の勤務先の場合、1日最大で22人の患者様をみることになるのですが、スポーツが原因で来院される方は1日のうち1人いらっしゃるかどうかで、ほとんどが高齢者や中高年の方ばかりです。
でも、そういう方々へのリハビリを考えたり、転倒予防法や骨密度についてレクチャーすることを追求していったりと、自分にとって興味のある分野も増え、何よりもリハビリを終えて自宅に帰る患者さんを見るのは嬉しいです。
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「高校時代に果たせなかった目標」
- Q. 畔上さんの今後の目標を教えてください。
- 僕の大きな目標は、高校時代に果たせなかった「全国高校サッカー選手権大会」に、トレーナーという立場でチームに帯同して出場することです。どれくらいの時間がかかるのかはわからないですが、出場した上で国立競技場まで辿り着きたですね(注:選手権では準決勝と決勝の会場が国立競技場になる)。
- Q. 最後になりますが、畔上さんと同じように理学療法士としてスポーツ分野を目指す高校生は多いです。そんな皆さんに向けてメッセージをお願いします。
- 勉強はもちろん大事です。でも、それと同じくらいに、たくさん遊んで学生のうちに色々なことを経験することが大事であるということを知っておいてほしいです。勉強は当然壁にぶつかると思いますが、実習を経験していけば、進路についても大いに悩むことになると思います。ただ、少しくらい迷いがあったとしても、勤務した場所で頑張っていけば必ず良い方向へと転がっていくし、そんな風に思わせてくれる良い出会いも間違いなくあります。僕自身、日リハへ入学してから入職するまで、「これは間違えたな」と思った経験は一度もありません。そう断言できるのも、勉強だけでなくしっかりと遊んでいたからだと思います。
- Q. 勉強だけではなく、様々な経験をする事が大事ですね。
- 理学療法士は患者様との会話も重要なスキルの一つです。勉強漬けの学生生活では、それは伸ばしていくことができないものです。アルバイトの経験、どこかへ旅して五感に刻み込んだ風景、趣味によって広がっていく世界。それらはすべてリハビリ中の患者さんとの会話に活きてくるはずです。
22年しか生きていない人間が、自分の2倍、3倍以上も生きてこられた方々と接していかないといけないわけですから、4年間のうちに少しでも自分の足を動かし、どんなことにでも興味・関心を抱いて、それを突き詰めてください。
それらはきっと、将来皆さんの仕事の役に立ってくれるはずです。