2021.10.09
理学療法
理学療法士として働く人の中で、スポーツ業界で活躍する人は多くいます。スポーツトレーナーの資格は民間資格なので、国家資格である理学療法士を取得しておくと有利に働くためです。
ただし理学療法士としてプロのスポーツ選手と関わることができる人はほんの一握り。特に働き始めてすぐに専属トレーナーとなることは難しく、まずは病院などで働き実力を身に付けることから始め、そしてスポーツトレーナーになるために必要な知識を、理学療法士の資格にプラスして、勉強する必要があります。
また、地域のクラブスポーツ施設でボランティアとして活動するなどして、実績を上げていくことも有効です。
理学療法士としてスポーツ業界で活躍できる人材になり、周りに認めてもらえるようになれば、パラリンピックといった国際的な場面に携われる可能性も十分に可能です。
理学療法士の資格にプラスアルファで、パラリンピックに関わるための資格を取得するとしたら、障がい者スポーツトレーナーが良いでしょう。
障がい者スポーツトレーナーとは、障がい者のスポーツ活動に必要な安全管理および競技力の維持・向上のサポートするためにある資格です。いわば、障がい者のためのアスレティックトレーナーといったところでしょうか。
日本全国で資格取得者はだいたい140名(2016年のデータ)くらいしかいない、まだまだ認知度の低い資格ではあります。
資格を取るには競技団体の推薦を頂いた上で「障がい者スポーツトレーナー養成講習会に参加することが条件です。講習会に参加できる要件を公式ホームページより引用します。(日本障がい者スポーツ協会|指導者育成講習会・研修会)
(1)次の1)を満たす者:A1)有資格種別
日本体育協会公認アスレティックトレーナー (2)次の1)、2)、3)を全て満たし、当協会障がい者スポーツトレーナー部会の審査を受け、会長が認めた者:B
1)有資格種別
1理学療法士 2作業療法士 3柔道整復師 4あん摩マッサージ指圧師 5灸師 6鍼師 7その他の資格(1~6の資格と同等のものと主催者が判断したもの)
2)推薦団体 (公財)日本障がい者スポーツ協会登録競技団体、都道府県・指定都市障がい者スポーツ協会・障がい者
スポーツ指導者協議会のいずれかの団体においてトレーナーとしての活動を有し、推薦がある者。 3)活動実績
1)に挙げた公認資格に関係した日常活動を2年以上有すること。 ※「日常活動」とは、トレーナー活動を職業として、または職業に近い形で実施している事を示す。
(3)2次講習会からの再受講者:C
平成 27・28 年度の1次検定試験を合格した者
※ C 区分については、再度 2 次講習会からの受講と、2 次検定試験の受験が必須となる。
研修会は1次と2次があり、1次試験は筆記、2次試験は実技試験です。
2次試験では普段どのようにして障がい者スポーツトレーナーとして活動しているかが出てしまいます。「資格を取りに行く」のではなく、日常から障がい者スポーツトレーナーとしての意識・心構えで過ごす習慣をつけることが大切です。
東京パラリンピックの盛り上がりに伴って、理学療法士として関わりたいと思う方も増えていくでしょう。障害者の社会参加や自立を支援する理学療法士の役割は大きく、幅広い活動が期待されています。
上記のトレーナーとしての仕事だけでなく、チームスタッフ、レフェリー、シャペロン(ドーピング検査の補助をする人)など、理学療法士が活躍できる仕事は多岐に渡ります。
「障害者のスポーツ」は、特別なスポーツが存在しているのではなく障害のためにできないことをルールの変更や用具の工夫により補って行うスポーツです。クラス分け、用具の開発・工夫、コンディショニングなどの分野で、多くの理学療法士が活躍しています。
スポーツは生活を豊かにしてくれるものであり、心身の健康を与えてくれるものです。それを支えることができる理学療法士は非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。
「理学療法の広がる未来!理学療法士としてスポーツ分野で活躍するために」
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