2021.11.02
その他
理学療法士・作業療法士を育成する専門学校は首都圏だけでも多数の学校があります。もちろん一番大事なのは養成校で学ぶ本人が、「通いたい!」と思える学校を見つける事ですが、それと同じくらい保護者の皆様が納得してお子さんを預けることができるかどうかも大事です。
そこで今回は、保護者目線で理学療法士・作業療法士を育成する専門学校の選び方についてまとめてみます。
理学療法士・作業療法士になるためには、4年制または3年制の養成学校で学ぶ必要があります。
国で定められている学ばなければならない基本となるカリキュラムはどちらの年数の学校でも同じです。プラスアルファで行っている応用的授業や臨床実習が4年制の方が多く一つ一つ理解をしながら勉強を進める余裕があるのに対して、3年制は1日に行う授業の量が多く、年間の休みも少ないなどの違いがあります。
学費に関しては3年制の学校の方が1年短い分安くなりますが、学費以外にかかる金額や1年単位で考えると一概にどちらが安い・高いという比較は難しいところです。学校ごとに学費の制度が様々ですので、ホームページやパンフレットで確認してみましょう。
3年制の学校であれば一年早く現場に立つことができるので、少しでも早く資格が欲しいという場合はお勧めできますが、3年間は息つく暇もなく一気に詰め込んで学んでいくことになるので、それ相応の自信と覚悟が必要です。
お子さんの希望はどちらなのかを聞き、どちらの学校についても調べてみることが良いでしょう。早く一人前になりたいという気持ちが大きいお子さんもいらっしゃいますし、サークルやアルバイトなどでゆっくり学生生活も楽しみたいと思い描いているお子さんもいらっしゃいます。
また、2020年4月の入学生以降はこれまでと違い理学療法士・作業療法士とも単位が増加となっています。そのためこれまでは「3年制でも勉強に追いつけました!」という方でも今後はついていけなくなってしまったり、スケジュールに追われる毎日になってしまう可能性もあります。それも加味して学校選びを行いましょう。
理学療法士・作業療法士の資格は国家資格であり、入学すれば簡単に取れる資格ではありません。
また、知識だけでなく技術も重視されるため実技授業や臨床実習も大切です。そうなったときに、教員が生徒一人ひとりをきちんと見ることができる環境かどうかは大切です。
大学では100人~200人を1人の教員で授業をしたり、実技においても限られた人数の教員が見て回る環境になってしまうため、「できない」「わからない」といった生徒の声が届きにくいと言えるでしょう。
専門学校の中でも、少人数制でしっかり生徒とコミュニケーションを取っている学校もあれば、教員の数が十分に確保できていない場合もあるようで、必ずしもそうでない学校もあります。
これはパンフレットだけではわからないので、実際にオープンキャンパスに行って確認するようにしましょう。学校内を歩いているだけでも、先生と生徒の距離がどの程度なのかはすぐに体感することができます。授業を見る機会があればより良いでしょう。
また、担任制を取っているかどうかも重要です。特にお子さんがついこの前まで高校生だった場合、高校には当然担任の先生がいたと思います。知識や技術の具体的な質問はその授業の先生に行いますが、実習や就職に関しての不安や生活環境について、人間関係について相談する大人が近くにいると安心ですよね。
そして、国家試験に向けた勉強に関してはすべての分野を網羅していく必要があるので、各授業ごとではなく体系的に判断してくれる人がいるというのも心強いです。そのため少人数制かつ担任制を取っている学校がおすすめできます。
理学療法士・作業療法士を目指すのであれば、国家試験に合格して終わりではなく就職をして療法士としてのスタートを切るところまで専門学校でサポートしてほしいですよね。
そのため就職率や就職サポートは学校選びにおいて重要な見どころです。
高齢化社会が進んでいることと、小児分野やスポーツ分野にも需要が伸びているので就職先は、よほどのこだわりを持って選ばなければ「就職先が見つからない」という状況は考えにくいでしょう。そのためどこの学校も就職率が高く違いがわかりづらいかもしれません。
そこで注目していただきたいのは、満足度の高い就職ができているかどうかです。お子さんが望む職場に就職できるかどうかが重要ですよね。病院ではなく介護施設が良いお子さんがいたり、新しい施設で1から施設を作り上げていきたいというお子さんがいたり、希望は一人ひとり様々です。
そんな希望をきちんとくみ取ってくれる学校なのかどうか、入学前にチェックしてみましょう。
また、学費に関しても重要ですよね。同じ資格を取る学校にも関わらず学校によって学費は様々です。
学費を見比べる際に気を付けていただきたいのは、公開されている学費が「総額」になっているかどうかです。実習費は別途となっていたり、初年度学費のみしか明記されていなかったり、対象にならない割引が適用された状態の数字であったり…と、きちんと実際に支払う総額がわからない場合があります。これらが明記されている学校を選びましょう。
学費の明記に関しても、そこがあやふやになっていると学校としての評価が悪いのでは?と信頼できなくなってしまいますよね。専門学校は外部から教育が水準に達しているかどうかや、カリキュラムや実習をしっかり行っているかどうかをチェックされています。
どんな評価をされているのかもホームページに公開されていたり、パンフレットに記載があったりするため見てみましょう。
見落としがちなところですが、保護者の皆様は学校側が公表している情報しか得られないので不安もたくさんあるかと思います。学校外から見た評価に関しては財務状況や就職指導に関してなど細かいところも見てくれているので、信頼できると思います。
「大学と専門学校の比較と学士・専門士・高度専門士の違い|PTとOTの学校選び」
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