作業療法士の平均給料は月●●万円!待遇や福利厚生の状況は?

作業療法士の給料は平均月●●万円

作業療法士の給料は、平均で月28万円前後となっています。(日本全国全体・2017年)年収は約400万円です。

注目すべきは平均年齢が33.3歳と若いところです。

作業療法士は比較的若い職業です。国家資格として認められたのは1966年ですが、もちろんすぐに多くの人が資格を持てたわけではありません。作業療法学の博士課程が設置されたのは1998年と遅いです。そのため、平均年齢が若くなっています。

平均年齢が若いということは、キャリアが浅い人でも昇進の可能性が高いことや、勤続年数を重ねることによっても給料アップが見込めるということがわかります。

また、男女の給料差が少ないため、性別に関係なく活躍することができるのも作業療法士の魅力のひとつでしょう。作業療法士は、出産や育児で一時的に現場を離れても戻ってきやすく、女性でもチーフや所長になりやすい仕事と言われています。

作業療法士の待遇は良い!福利厚生が手厚い

作業療法士の待遇は、他の医療系職種・福祉系職種に比べて比較的良いと言えるでしょう。

まず残業があまりない仕事というのがひとつあります。対象となる患者さんがいる仕事なので、夜遅くまでリハビリが長引くというようなことがないのは想像に難しくないと思います。事務仕事や雑務などもありますが、基本的には職場の就業時間内できっちりと区切られているケースが多いです。

また、看護師や介護士などには夜勤がありますが、作業療法士は夜勤がない仕事です。リハビリは施設が空いている朝~夕方の時間帯に行われるためです。
残業が少なく夜勤がないため、プライベートと仕事の両立がしやすく、日々の生活リズムを整えられるため人気の理由となっています。

そして、福利厚生が手厚いことが多いようです。女性が多く活躍していることもあり、休暇が取りやすくサポートも手厚いです。保育所の設置も最近は多くみられるようになりました。

もちろん働く職場によりますし、民間施設か公立施設かなども関わってきますので、職場選びの際には一つ一つの待遇をしっかりと見ていく必要があります。

また、先ほど残業がないことを待遇の良さの一つとしてあげましたが、作業療法士と比較すると、夜勤を行う看護師の方が給料は高くなります。

作業療法士として給料アップを目指す場合には、自ら勉強会やセミナーに赴いたり、他資格を取る時間にあてるなどして自分でできる事を増やしていきましょう。例えば介護福祉士の資格を併用したい場合、職場によっては相談すると職務の一環として資格取得を後押ししてくれるところもあります。

施設によって変わる給料・年収

働く場所によって給料は変わってきます。作業療法士が働く場所として多い3か所について、年収を例にとって挙げてみましょう。

1:病院やクリニック

病院やクリニックをはじめとする医療施設は、平均年収は350万円~450万円のようです。病院は規模が大きいところの方が年収が上がる傾向にあります。また、チーフや所長などに昇進することによって大きく給料を跳ね上げることが可能です。

2:老人ホームや介護ステーション

老人ホームや介護ステーションなどの介護施設は、平均年収は少し高い傾向にあり500万円前後が相場のようです。介護業界は国も後押ししていますし、求人を毎年増やしているのでその分給料も上がっています。ですが、その分体力面で負担が大きかったり、作業療法士としての仕事だけでなく介護分野に重点を置かなければならなくなったりするケースも考えられます。

3:障害者福祉施設や児童福祉施設

障害者福祉施設や児童福祉施設などの福祉施設は、平均年収250万円~400万円と、少し低い傾向にあります。需要が増している分野ではありますが総数としては医療施設や介護施設の方が圧倒的に需要が大きく、利益が上げにくい施設であるのが原因と考えられます。
一方では、介護施設とは逆に、給料は低くても自分のやりたい作業療法をじっくりと余裕を持ってできる職場であるケースが多いようです。やりがいを求める方にはメリットの多い職場と言えます。

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なぜ必要?在宅医療のこれから

在宅医療は言葉の通り、患者さんの自宅で医療行為を行うことを指します。なぜニーズが高いのかというと、「病気であっても出来るだけ住み慣れた街にいたい。自宅で家族と一緒に普通に生活したい」と思っている患者さんが多いためです。

また、高齢化社会を背景に、国の医療費は伸び続けています。その要因の一つに長期間入院というものがあります。これを抑えるためにも、入院を切り上げて自宅での医療に変更するのが好ましいとされています。実際には、平成23年度末に介護療養型医療施設の廃止が決定され、社会的入院(治療が目的で病院に留まるのではなく、治療の必要がなく長期入院を続けている状態)を減らす動きが強まっています。これによってさらに在宅医療の必要性が上がりました。

ですが、在宅医療自体も今はまだ未完成な状態です。地域の医療従事者が全員、在宅医療へのノウハウを持っているわけではありません。その一律化と底上げが今後の在宅医療の課題でしょう。

在宅医療における作業療法士の役割

では、そんな在宅医療における作業療法士の役割についてみていきましょう。作業療法士をはじめとする理学療法士や言語聴覚士といったリハビリテーションの専門職は、在宅ケアという新たな舞台で必要とされつつあります。

そもそも、リハビリテーション医学は「生活(活動)を支える医学」であるため、自宅で普通の生活を送りたい患者さんのニーズにマッチしている仕事といえるでしょう。作業療法士が目指すものは単なる機能回復訓練ではなく、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促すことです。

在宅医療は通常の病院と違い、患者さんの生活環境の調整にはじまり、地域の中に生きがいや役割をもって生活ができるような居場所と出番づくり等、患者さんを取り巻く環境へのアプロ ーチが重要です。作業療法士には、かかりつけ医を中心とした疾患管理や再発予防、併存疾患管理 ・生活機能の評価(維持、向上、低下) ・必要に応じたリハビリテーションの実施 ・急性増悪時の対応が求められています。

その他、在宅医療の現場では、介護福祉士や医師などさまざまな専門職が関わっています。フレイルやサルコペニアから患者を守るため管理栄養士が必要になったり、口から食べる機能を保つために歯科医と関わることもあるでしょう。作業療法士としての役割だけでなく、「在宅医療」という分野に全員で取り組んでいく姿勢が必要です。

在宅医療のやりがいとは

在宅医療は、「患者さんと深く関われる」という点でやりがいを感じる職場です。一般的な病院勤務だった作業療法士が、在宅医療ができる施設へと転職するケースも多くあります。

作業療法士の目指す「生活を支える医学」という観点からいくと、患者さんの生活環境や家庭の事情へ立ち入ることができる在宅医療は魅力的でしょう。患者さんやそのご家族との距離も自然と近くなり、長い時間をかけて信頼関係を築いていくことになります。

「患者さんや家族に心から感謝してもらえている実感がある」と、在宅医療に従事する多くの作業療法士が語っています。これから作業療法士を目指す方は、ぜひ在宅医療のできる施設への就職も視野に入れてみてください。

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作業療法では、いろいろな作業活動を治療手段として使用します。折り紙や陶芸、色塗りや籐細工、そして編み物などの手芸があります。このような作業療法の手段を、患者様によってどれを提供するのか、どのくらいの難易度で行ってもらうのかなど、考えながら実施します。

例えば、認知症の方には、日付や場所など現実的な項目を含むものを行うことで自分の今の状況を少しでも認識できるような機会を提供するようにする。また、毎日同じ作業を行うことで仕事として習慣化するようにする、昔行っていた作業を行い思い出す機会をつくるなどの方法があります。

また、片麻痺の方には、今の手の機能をどれだけ活かすことが出来るようにするかが重要となります。まずは両手で行う簡単な作業から始めて、徐々に難易度を上げていくようにしています。

その中でも編み物や手芸は、割と多くの患者さんに実施しています。「力強く握る」「引っ張る」などの作業があり筋力低下に有効であることと、人によってやり方や手順を変えやすいこと、自宅でも手軽にリハビリテーションをおこなうことができることが理由です。

作業療法で使われる定番「スプールウィービング」

作業療法の定番は、「スプールウィービング」を使ったものでしょう。これは作業療法の教科書にのるほど定番です。

スプールウィービングを使えば片麻痺の方、手の不自由な方・高齢者でも帽子・マフラー・編みぐるみを編むことができます。指で毛糸を摘む動作ができると、スプールウィービングで編むことができます。実際にリハビリの現場で行われている手指の訓練方法でもあります。この単純動作を繰り返すだけで帽子やマフラー、編みぐるみが片手で編めます。

これは1975 年に松田美穂作業療法士が考案して以来、ほぼ変わらず使われているそうです。対象者が幅広いことも理由の一つですが、編みはじめや編み終わりの仕上げの手助けをしてもらうことができ、人間関係の構築になることから人気が出ました。作品の相談や家族や友人へのプレゼント、バザーへの出店なども人との関わりを促進しますね。

編み物・手芸から得られる効果

編み物や手芸からは、さまざまな効果を得ることができます。まず1つは、マフラーやセーターなどの完成度の高い作品により満足感、達成感、自信が持てることです。これは一つの大きなリハビリテーションの効果と言えます。

そして、編み物は一定のリズムで同じ動作を繰り返す動作です。これは、瞑想と同じ効果を得ることが期待されています。さらに気分を調節するホルモンであるセロトニンの放出の増強につながることがわかっています。これは不安やストレスの軽減、うつ病の症状緩和につながります。

編み物はその工程から非常に手指、上肢、姿勢の保持能力が求められます。編み目を間違わないように注意をし、指先の感覚と手元が狂わないように姿勢を保持しながら操作をします。これによって運動機能の向上につながるでしょう。認知症の予防も期待されます。編み物は非常に脳全体を刺激するのに最適な作業活動です。

このように、編み物をはじめとする手芸は作業療法士にとってとても重要な医療行為です。昔から変わらず行われているリハビリではありますが、今後さらに幅を広げ効果を高めていきたいですね。

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