理学療法学科 昼間部 卒業生

鈴木 寛啓さん

スポーツ分野で活躍できる
理学療法士になるために

学科 理学療法学科 昼間部
卒業年度 2021年3月卒業
勤務先 SOL整形外科スポーツクリニック 勤務
  • 現在は整形外科クリニックでスポーツ分野をはじめ、広く活躍中の鈴木さん。日リハ卒業後の進路に迷ったとき、背中を押してくれたのは実習指導者である先輩理学療法士の一言でした。

    「痛みや不安は当人にしかわからない」

    Q. まずは鈴木さんが理学療法士を目指すことにした経緯から教えてください。
    僕は小さい時から高校までサッカー漬けでしたが、実は結構な“怪我体質”で、小学校の頃から軽度の怪我を繰り返して、その度に整骨院のお世話になっていました。 そこで理学療法士の方や柔道整復師の方に施術をしてもらっていたのですが、子供だったからその時は職業名すらわからずに、でもどんな仕事なのかは自分の身をもって体験していたんだと思います。
    それから中学時代に右足首靭帯損傷をしてしまって、一ヶ月ギプスと松葉杖生活を送っていたり、高校に進学してからも怪我を繰り返していたりしましたが、理学療法士の方が限られた時間の中でしっかりリハビリメニューを組んでいただいて、競技に復帰することができていました。

    Q. ご自身で怪我体質というだけあって、かなり多かったのですね。
    はい。怪我をしたことがある人ならわかると思うのですが、怪我に関しては完全に当人にしか痛みや不安の度合いはわからないわけです。仲の良いチームメイトに話しても、完全に理解してもらえるものでもありません。そういう時に、本音で話すことができて、不安感を和らげてくれて完治まで支えてくれたのは、理学療法士の方々でした。 「ここに行って、この先生たちに任せれば、しっかり治るんだ」という経験を重ねていくうちに、いつしか理学療法士に憧れを持つようになって、高校2年生には自分も「治す側に立ちたい」と思うようになりました。
  • 「勉強も大事。遊びも大事」

    Q. そうして日リハに入学したわけですが、実際の勉強、学校生活はいかがでしたか?
    勉強はとても大変でした。授業の予習復習や国家試験の勉強は、しんどい時もいっぱいありました。試験前はもちろんしっかりと勉強しましたが、それ以外の時は息抜きや気分転換、遊びも大事にして楽しんでいました。

    Q. 息抜きはやっぱりサッカーでしたか?
    そうですね。日リハでは3年次の秋からはじめての長期実習が始まるのですが、その前の夏ごろにはクラス全員でフットサル大会をやりました。畔上君(日リハの人々Vol.62)がみんなに呼びかけて、フットサル経験のないクラスメイトも多かったですけどみんなで楽しみました。実はその時は担任の鍋城先生も参加してくれました。
  • 「強みを持った理学療法士になった方が良い」

    Q. 勉強と息抜きとメリハリが大事ですね。理学療法士を目指すきっかけがご自身のケガという事ですので、就職先もスポーツ分野一本で探していたのですか?
    日リハで学んでいる時から「整形分野に携わりたい」という思いはありましたが、ちゃんと決意したのは3年次の評価実習の後でした。 その時の実習先も整形外科の総合病院だったのですが、バイザーの先生から「自分がやりたいことをやるべきだ。入職後、どこかのタイミングで転職や領域を変えるぐらいなら、最初から鈴木くんの希望である整形外科一本で、強みを持った理学療法士になった方が良い」という言葉をかけていただき決心がついて、スポーツクリニック一本に絞って就職先を探しました。

    Q. それは心強いアドバイスですね。現在の勤務先はどのようにして探したのですか?
    地元のクリニックを探したり、先生に訊いてみたり、求人サイトで探したりしているなかで見つけたのが今のクリニックです。診療内容はスポーツ外来とリハビリテーションで、老若男女問わず幅広いスポーツの障害・外傷に対応しています。
    開院してまだ3年くらいと新しいクリニックなのですが、職場見学に行った際の雰囲気がとても良かったのが印象に残りました。開院からそれほど時間が経っていないにも関わらず、地域にしっかりと根ざしていることが伝わってきましたし、「自然で最適な健康スポーツ医療を実践するクリニック」という理念など、共感できるところが多かったのが大きな決め手になりました。

    Q. 実際に働き始めて、思っていた通りの仕事をできていますか?
    今の勤務先は新しいクリニックでもあるので、当初は思ってもいなかった仕事もたくさんあります。例えば経営的な施策とかにも関わらせていただく事もあります。なので、毎日が濃密で、卒業してから今日まであっという間でした。
    また、新しいクリニックだからこそ、ドクターとの距離が近いという点はとても大きく、自分が知らない知識をたくさん吸収できていると実感しています。

    Q. 入職早期から経営的な視点でも関わることができるのは、良い経験になりますね。
    実は、2022年8月に世田谷区に新店舗がオープンして、そこにも携わらせてもらっています。そのクリニックはまだ新しいので、地域の方々に知ってもらうために、世田谷の「区民スポーツまつり」にクリニックとして参加して、クリニックできることを伝えたり、簡単な体操を来場者の方に教えたりもしました。
  • 「スポーツ分野で活躍する為に必要な事」

    Q. かなり幅広い活動をされているのですね。鈴木さんの当初の目標であった「スポーツ分野」でこれからさらに活躍していくために、心がけている事や取り組んでいる事はありますか?
    勤務先には外部から現役のトレーナーが来ることが多いので、そこで関係性を築くことを心がけています。スポーツトレーナーの業界は人脈で回っている部分もあると感じているので、まずは自分のことを知ってもらってその次のステップへ進んで行くことを目指しています。でも、その行動には実を伴っていないと意味がないので、スキルアップと知識の習得は欠かせないと感じています。

    Q. ご自身のスキルアップでは具体的にどんなことに取り組んでいるのですか?
    「アスレチックトレーナー」の資格取得を目指しています。スポーツの現場に出るにあたって、理学療法士の資格に加えてアスレチックトレーナーも取得していれば心強いですし、トレーナーとして活躍する為には必要だと思っています。
    技術だけでなく多岐に渡る知識を身につけ、その日来てくださった患者様にそれを還元する。そうすれば患者様の満足度も上がっていきますし、おのずと次の機会へつながっていくと思います。
    それを繰り返していくことで「あのクリニックにはあの先生がいる」と、自分も評価していただけますし、それだけじゃなくてクリニック自体の評判の向上にもなっていきます。クリニックにはスポーツ外来を受け持っている先生がいるのですが、わざわざ「その先生の施術を受けたい」と来院される患者さんもいて。技術や知識、話し方などをその先生からも学んで、やがてはその方を越えられるようになりたいと思っています。
  • 「やりたいことは口に出す」

    Q. 目標は高く!ですね。それでは最後に、理学療法士を目指して日リハの進学を検討している高校生の皆さんにメッセージをお願いします。
    理学療法士を目指して日リハに入学する人は、僕たちのようにスポーツ経験者が多いと思います。そんな皆さんにお伝えできることがあるとすれば、「やりたいことがあるなら、まず口に出しましょう」ということです。
    誰かが汲み取ったり察してくれたりするわけではありません。自分から発信していく必要があります。
    僕自身も、就職先は先生方に希望を伝えることで「こういう分野があるよ」と教えていただきましたし、今の職場でも発言をすることで周りの方が手助けをしてくださいます。

    Q. 「やりたいことは口に出す」という事は確かに大事ですね。
    日リハには自分が発言したことを支えてくれる人たちがたくさんいます。言葉にすることを習慣づけていくと、自分がめげそうになったときに自分自身の言葉で発破をかけることができるし、入職後であっても臨床や仕事内容や仕事場の人間関係も含めて、行き詰まったときなどは自分の発言に立ち戻ることは何度となくあります。
    常日頃から想いを言葉にして行動していけば、いつでもそこに立ち戻れますし、ブレない自分をつくることへとつながります。「やりたいことは口に出す」という事を意識してみて下さい。

    Q:本日はありがとうございました。